冬のこども
黒く澄んだ丸い瞳に 白く儚いモノが映る
興味深げに伸ばされた ぷくぷくとした柔らかな手に
舞い降りた白いモノが 触れた
白いモノはひやりと冷たく
熱い手に触れたが最後
呆気なく じわりと融けて 消えてしまった
黒い瞳はおどろいたように 幾度もまばたきをくり返し
手に残ったわずかな滴を ただ茫然とみつめていた
静かに凍った 空の下でひとり
舞い踊る雪に 包まれたこどもは
その日はじめて 「さびしい」を知った
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