あの角を右に曲がると!
理無塚尊
第1話 ねこ
みなさんこんにちは。私の名前は
この日は朝の7:50に家を出て、あ、授業が始まるのは8:30からね。普通に行けば10分くらいで着く。んで、その角を右に曲がったの。そこからが問題点。なんと、そこにいたのが、道路を埋め尽くす程の、ねこ。そう、よく道端にいるようなのが、集まって。これはヤバイと。目を合わせたら動けなくなってしまう。上を向いて歩こう、と思ったりしたけど、ねこの尻尾を踏むのが嫌だから下を向く。ねこが足元をうろついてる。「えさは持ってないよ」って言ってもうろついてる。かわいい。いや、目を合わせたらいけない。絶対、動けない。あ、こいつもふもふしてる。遅刻したくない。肉球めっちゃ柔らかい。誰だ、こんな天国…いや、罠を配置してくれたの。明日もお願いします。
ふと気づき、時計を見るともう8:26だった。泣く泣く私はねこたちを放し、ねこを踏まないように回り道をして学校に行った。8:32だった。こっそりと門を通って教室に入る。朝学習の時間なのでとても入りにくかった。しかし、かわいかったなと考えながら準備していると、いた。かばんのなかに、ねこが。さすがに時間がないのでそのまま授業をやったけど、授業の終わった時にかばんのなかを見たらもういなかった。少し残念。
帰り道、まだいるかな、と同じ道を通った。しかし、そこにはもう一匹もいなかった。もう、その日は一匹も会えなかった。
次の日、こっそりと家の食パンを持ってきた。ねこにあげるため。そして、いつもの角を右に曲がった。そこにいたのはねこではなかった。鹿だった。
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