生きる



人は また今日も 同じ日を繰り返し


一人の少年は 引き金を引いた


翼広げた 雛鳥の旅路を


祝福するように 少女は両手を上げる


雛鳥の旅路は 幸せか不幸か


人には 分からない 彼らはただ生きるため


生き抜くために飛ぶ




人が みな今日も 同じ罪を繰り返し


それを背負うのは 無視出来ない人達


引き金を引いて 誰かが傷つくなんて


少年は知らない 目隠し のせいで


風に揉まれる 雛鳥はあがく


所詮その身は ちっぽけだけども


ちっぽけな翼は 空気を掴み 押し上げてあがく


理由など探さない




一人の少女は 両手を上げて

揺れ動かして 明日に焦がれた


一人の少年は 銃を握らされ

引き金を引いて 自分を傷つけた


一人の少女は 雛鳥の翼を奪った

されど それはもう とべやしない



少女の足下で 雛鳥がもがく

赤と白とが散らばっていた





人は また今日も 同じ日を繰り返し


時に 縛られて 自分に縛られて


幻想うそに縛られ 少女は翼を捨てる


雛鳥は まだ もがく



生命いのちを 疑わず



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