216~220

216話

(お題:「制服」をテーマに(しかしその語を使わずに))

#twnovel

幼い頃からその姿に憧れていた。しかし。いざ、袖を通す日を迎えた時は複雑な心境だった。これを身に纏うということは、陛下に刃向かう輩を切り捨てるということ。…人殺しさえ、許されるのだから。「隊長。今日も護衛、ありがとう」若き女王は、私へと微笑んだ。


217話

(お題:[朝]の[コンビニ]で『狐』、『文章』を使ったツイノベ)

#twnovel

本業だけでも十分食べていけるが、副業のバイトも嫌いじゃない。今朝も、勤務先のコンビニへ。「いらっしゃいませ。お弁当の温めはいかがしますか?」「お願いします」本日最初の客は、常連の狐だった。「あ、これも一緒に」狐は、レジ横に陳列されていた文庫本を取った。


218話

#twnovel

「この作家の文章、好きなんですよ。この新刊も楽しみで」温め待ちの間、狐は嬉しそうに言った。僕の口角は自然と上がる。「お弁当、別の袋に入れておきますね。いつもありがとうございます」「こちらこそ、ありがとう。じゃ、また」読者の声を聞けるこの職場が、愛おしい。


219話

#twnovel

森中の獣達が集まっていた。森を冒した人間共を殺そうと計画を立てているのだ。狐も鼠も狼も、今は同じ目的の為に休戦している。さあ、どうやって憎き人間を殺してやろうか。皆が喧しく声をあげる。「お前達、もうやめなさいな」「主様…」森の主である純白の鷹が、喧騒を鎮めた。


220話

#twnovel

「主様が以前怪我を負われたのは、人間のせいじゃありませんか!どうして奴らを庇うのです!?」「儂は奴らを庇うつもりはない。ただ、お前達に無駄死にしてほしくはないのだ。確かに、儂を撃ったのは人間じゃ。しかし――儂の傷を癒し森へと帰してくれたのも、また人間なのだよ」

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