036〜040

036話

#twnovel

突き当たりにあった階段を、先輩と登っていく。先輩は、道すがら教えてくれた。「あの店は、特殊な次元にあってな。いや、次元と次元の狭間にある、といったほうが正確かもしれんな。店で飲み食いした客にはサービスで、次の世界へ繋ぐこの階段を使わせてくれるのさ」


037話

#twnovel

先輩の話を要約すると、ハルさんのお店は次元を超えて渡る旅人や商人の中継地点、らしい。そう言えば、入り口も不思議だったな。廃墟の階段を登ったら、店の入り口扉だったし。あれには驚いた。「あの店は、どの次元の地図にも載っていない街にある。縁があればまた行けるだろ」


038話

#twnovel

そのカフェは、地図にない街にある。次元を超えて渡る者たちを、暖かく見守るのは兎獣人の女店主。今日も、不思議なカフェは開店する。


039話

(お題:「紅葉狩りにその重装備はなんだ。その斧で何を倒すつもりだ。」)

#twnovel

登山口で、集合時間に遅れてやってきた友人。俺はその姿に呆れてしまった。「紅葉狩りにその重装備はなんだ。その斧で何を倒すつもりだ。熊か?熊でも倒すつもりか?」「お前、知らないのか?昨日この近くで殺人事件があって、犯人は今も逃走中だぞ」「…俺も斧買ってくるわ」


040話

(お題:「これが自分で選んだ道だなんて、」【大人しい】)

#twnovel

これが自分で選んだ道だなんて、我ながら大人しいわ。昔は、やんちゃで手がつけられない奴だったのに。感慨深く思いながら、マリは裏口扉を風の魔法で静かに開けた。「ハルママー!練乳、仕入れてきたよー!」イタズラ好きだった妖精は、今は不思議なカフェで真面目に働いている。

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