第3号『透明人間の飲み会』

「あーカシオレこっちッす、声のする方持ってきてくださーい」

「こっち声のほう生お願いしまーす、っていうかもう面倒なんで全部のテーブルに瓶3本ずつくださーい」

「いてっ」「あゴメン開いた席かと思った」

「でさ?女子更衣室で『いま人影が窓から覗いてたー!』って騒ぎになってさ、真っ先にオレ疑われんの。オレの人影とかオレが見てみたいっつーの」「わかるwww」


「はーい皆ちゅうもーく!今から中村が一発芸やりまーすww」「ちょw勝手にww」「おっどこどこ?」「吉田の隣り」「その吉田どこだよww」

「見たい見たーいwww」「いやそれはレベル高すぎだろww」(どっ)

「えー、じゃあ『伯方の塩』のリズムにのせて…」「おーやる気だぞ!」「いいぞ中村ー!」

「(腕を噛む)…いきます、 『は・が・た・を・見ろ♪』!」

(……)「ハイ、かーらーのー!?」「見えねーよw」「発想はいい」

「じゃあとっておきのマジックを」「おっ」「名誉挽回キタぞ」

「このグラスをー…宙に浮かせます!」「かーらーのぉー!?」

「カラにしまぁーーす!!」

「イェー!ハイ、飲んで飲んで飲んで♪飲んで飲んで飲んで♪」


「ねー市原、市原」「んー?なに、山野」

「なんかねー、みょーちゃんがアンタのこと好きなんだってー」

「はぁっ!?マジで!?大嶋が!?うおっマジかよやったぁ!!大嶋今どこいる!?」

「アンタの隣」「やっほー、いっちー☆」

「うおっ何!?お前俺のこと好きだったん!?」

「ホラみょーちゃん、市原のどんなとこが好きなのか言ってやんなよ」

「うんっ、せーのっ」

「「見た目ーwwww」」

「チックショー!だと思ったよコノヤロー(泣)!」

「いっちードンマイ!ほら飲んで飲んで!」


「ラストオーダーになりまーす」

「あっジンジャーハイ1つくださーい」

「レモンサワー」「ジントニックで」「あたしもジンジャーハイ」「あっやっぱりライチ酒」

「待って待ってひとりずつ!まずジンジャーハイの人挙手!1,2,3!ジンジャーハイ3つで!」「てきとーwww」「挙手ネタ懐かしいwww」


(30分後)


「先輩、そろそろ」

「あ、もう時間?はい皆ちゅうもーく!もうお時間だそうなので締めまーす!

じゃあ締めの言葉を部長お願いしまーす」「部長ー?」「どこ?」「探せ探せ」「皆とりあえず足踏みしてみてー」ドドドド

「おいやめろ!いる!いるから!」

「なんだいるじゃん」

「メシ口の中入ってたんだよ。えー皆さん、1年間お疲れ様でした、最後は一本締めで締めたいと思います。お手を拝借!…よーお!」

((((パン!))))

「はいお疲れ様でしたー!これからもこのパントマイム部を盛り上げていきましょう!」

パチパチパチパチ
















「ふぅー、飲んだ飲んだ」

「い、いっちーはもう帰るの?」

「うわっ!その声は大嶋!?2次会行かなかったんだ」

「う、うん、今日はもういいかなって…いっちーは?」

「おれは今月もう金ないから2次会はパスだな。これから1人で〆のラーメン食って帰るとこ」

「そ、そーなんだ…」

「そ、じゃあ気をつけて帰れよー、ってあれ?お前帰りこっちだっけ?」

「あ!あのさ!いっちー!」

「ん?」

「の、飲み会で私と山野でいっちーからかったでしょ?」

「あーいいよ別に気にしてな…」

「私いっちーの見た目以外の部分も好きだから!!!」


「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」


「…一緒にラーメン食ってくか?」

「……うん!」

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てげてげ村便り 村長 @muraocean

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