第16話 カクヨム遊び方、その③ジャンル、ラブコメ

〜 ”ジャンルミックス”という新しい概念を勝手に作って試す編(ラブコメの巻)


ども、帰ってきました野次馬です。


新しいカクヨムの可能性を求めて、なんか面白い使い方があるんじゃねーの、と、そんなことを考えてましたところ。。。


トントン。。。


ん?誰だよこんな時間に?


俺はドアスコープを覗いた。スコープと言っても、ただの穴が開いてるだけ。

前任者が、どうしたか知らないけど、壊したままなんだよ。借り上げ社宅、とは聞こえがいいが、ただのオンボロアパート。


今時オンボロ、なんていう言葉があるのかどうか知らないが。



ドアの向こうに立ってたのは山崎だった。高校の部の一年下の後輩。


んだよ。。。こんな時間に。


俺はドアチェーンを外して開けた。


せんぱ〜い!!


山崎は、これ作ったんです、食べて!!とか言いやがった。


なんで、俺が総菜パンしか食べてないの、知ってやがるんだ。


山崎は、目をキラキラさせて言った。


”先輩のことなら、なんでもわかってますから!”


うるさいな。。。山崎、お前、ウザい。


俺は悪いな、と思いながら、今お腹いっぱいだし、と答えた。


山崎は、嘘。。。と小さく言って、先輩、これ明日でも大丈夫です、レバニラ炒め。レンジでチンしてください。。。。



うちにレンジなんてね〜〜〜!



山崎は、長めのショートの髪をフルフルさせた。


フライパンで温めてくださいっ!


お前しつこい。。。


俺は珍しく冷たく言った。


山崎、俺はお前のことが嫌いなの!!



山崎は、先輩。。。まだあのこと怒ってるんですか?と言った。



怒ってる?



ハアッ!?



俺は、ヤクザみたいに吠えた。



先輩。。。。



山崎は、あの件、このレバニラ炒めでチャラにしてください。。。と言いやがった。


ふざけんな。


山崎は、先輩と自分の仲じゃないですか。。。と言った。



なんだよ。。。人が聞いたら、誤解されるようなこと言うんじゃねえ!



山崎は、先輩ならわかってくれると思ったのに。。。と言った。



俺は、死ね、と答えた。


山崎は、酷い先輩。。。いくらなんでも、言っていいことと悪いことがあります!と言った。



お前ね、頼むから、一回死んできて。


俺は言った。


先輩。。。山崎は泣きそうだった。



ゆ、許して下さいよ。。。。



嫌。


山崎は、ほんの。。。冗談だったんです、と言った。



それよりお前、お前に返すもんがあるから。。。。!



俺は、山崎が俺の車に仕掛けていったブツの入った紙袋を2個、押入れから出してきて、山崎にほらよ、と突っ返した。


先輩。。。。



絶対お前に、もう車、貸さねえ。



そんな。。。。



木曜日の晩、山崎が、明日、車ちょっと貸して欲しい、と電話してきた。


なんでも、大きな家具を運びたいらしい。


別にいいけどさ。。。退社時間までには、使い終わって駐車場に戻しといてくれよ、と、俺はいつもの通り、山崎に貸してやった。


山崎のマンションはすぐ近所で、コンビニのすぐ側だ。俺は通勤途中に一階のロビーの山崎の部屋のポストに、無造作に車の鍵を投げ込んでから出社した。



夜6時半。


ツいてないことに、その日たまたま。。。。


駅でばったり、クライアントさんに出会ってしまった。


営業が抜けない俺は、にこやかに相槌を打ちながら、家路へ。


クライアントさんは、要らなくなったポットを親にあげるために、実家に向かう途中で。。。


俺は何気なく、まだここから遠いでしょう、車で送りますよ、と言った。


クライアントさんはちょっとかわいい。


もうすぐ仕事が終わってしまうから、会えなくなる。俺は、これはもしや、天の配剤か!?とか、心の中で、ちょっと。。。



期待しちゃったことは否めない。





それをこの山崎が。。。。。



俺は溜息をついた。



クライアントさんは、いいです、と断るかと思ったんだけど、俺のこと信用してくれてるらしく、車で送ってもらえるなんてすごくラッキーです。。。と。。。。


普段、一人の時は商店街を抜けるんです、その方が怖くないし、と言いながら、狭い裏道をついてきてくれた。



いや俺にとって、あの日は悪夢となった。




駐車場に着く前、ふと俺は。。。。



山崎そういや。。。。鍵、いつものところに戻しといてくれてるだろな。。。


不安が横切った。



自分ちのポストをごぞごそすると、いつもの通り、鍵。



よかった。。。



駐車場で。。。。ちなみに、俺の車はアパートのすぐ側の露天の月極駐車場を借りて止めている。個人から借りているから、4、5台が道に面して駐めてある。



しかも運悪く。。。まだ時間が早かったせいで、駐車場には、俺の車のみ。。。



すぐそこに駐めてるんで、あ。。。。



俺もクライアントさんも絶句した。



クライアントさんは。。。。



あ、あのやっぱり、私、歩いていきます、ここからすぐですから。。。。



そう言って、俺が持ってあげてたポットをひったくると、早足で、くるりと踵を返した。



え。。。!



あ、えーと、いやこれは何かの間違い。。。。




俺が何か言う前に、彼女は既に、痴漢にでも遭ったかのように。。。



小走りに走って。。。。狭い路地をさっと曲がって、大通りの方へ……消えた。



俺は、呆然とその後ろ姿を見てた。。。。




まだあれから、クライアントさんに会ってない。。。。。。





ぐおおおおおおおお。。。。山崎。。。。。。。



俺はその場に崩れ落ちた。




俺の。。。白のホンダシビックの愛車の中に。。。。




あらゆるところに。。。ご丁寧に、窓にびっしり、貼り付けてある………



女性物のランジェリーーーーーー!





俺は、スマホを確認した。





今日。。。。。。






やられた、4月。。。。。1日。。。。。。




俺は、山崎を許さない! 一生に一度のチャンスを潰しやがって。。。。




俺は、他の誰も、この車を見てないことを祈りながら、とりあえず、座席や窓の内側に、こんなに綺麗に貼り付ける作業を、どれだけの時間かけて、奴はやりやがった!?と、外そうとしたが、がっちりと、透明なガムテープで貼り付けてあるランジェリーは、まるで下着屋のウィンドーデコレーションだった。


赤、白、黒、ピンク。。。。



扇情的なやつばっかり!



普通のはないのかよ!



これあいつの、私物じゃあるめーし!



高級そうなランジェリーではあったが、俺にこれを使えというわけでなく、腹が立つが、山崎につっかえすしかない。


俺は白いレースのガーターベルトとショーツだけ、これは俺がもらっておく、とポケットに突っ込んだ。




…迷惑料。




まあ、そういうわけで俺は山崎が嫌いです。





山崎は、先輩、喜ぶかと思って。。。と言いやがった。





………許さん。(来年覚えとけよ……)



以上。



終わり。)



あ、終わっちゃったらダメじゃん。


以上のような、ジャンルミックスの作品も、やってみたりできるカクヨム。


皆さんも、いろんな試み、やってみたら教えてくださいね。


野次馬、創作あんまりしませんが、やってみました、ジャンルミックス。



カクヨム、ジャンルミックスの提唱者として、名乗りを上げておきますた。



では、ごきげんよう。








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