魔法使いになりたい

@arith12

偶然なのか?

寒い部屋の中で少し何かを考えてみる、特に何も思い浮かばなかった。時計を確認したくなった。すぐそこにある掛け時計を確認した。午前3時くらいか、とりあえず今日は元日なので外を見たくなった。窓を開けるよう。いかにも滑りの悪い音がする、そんなに古いわけじゃないけど掃除してないのが良くない。外の景色は雪と街といった感じだった。以外にも綺麗だった、まだ日の出ではないのだが。もうすぐだろうし、このままゆっくり日の出を待とうと思った。風が冷たいが心地よくも感じる。外を見ていると外に出たくなってきた。よく見ると人が1人歩いていた、あれは確か…田辺さん?。どこかへ向かっている様だった。気になった僕は追いかけてみることにした。向かっている方向をさっと確認してからコートを掴んで玄関に走った、(客観的に見ると変態っぽい)鍵は特に掛けなかった。っさっきの方角へ向かった。2分くらいで田辺さんを発見できた、彼女とは喋ったことも無いけどクラスが一緒だった。相手も自分の顔くらいは覚えていると思う。さて、どこへ行くのかな、恐らくは地元の神社だろう。特に賑わっているわけではないが、毎年少しの人が訪れている。でも

この時間だともう誰もいないはずだ、何をする気なのだろう。神社の前についた。田辺さんに気付かれない様に階段を上がっていく。そして、田辺さんはお詣りをしていた。当たり前のことだった。このタイミングで僕もお詣りをしても別に変じゃないと思い、思い切って前へ進んだ

「誰?」

「中原です、こんばんは田辺さん」

「あ、たしか同じクラスの中原君ね、珍しい所で会ったね」

「いや、実は窓の外を見ていたら、知っている人がいたのでー、暇だったのでーみたいな感じです」

「ふーん、何かちょっと変だね」

「変?、変ですよね。外の景色を見てたら何かしたくなって」

「そう所でお詣りに来たんでしょ?」

「いえ、まだです。」

「じゃあ、お詣りしちゃいなよ」

「あ、はい」

田辺さんのいる所まで近寄った。少しいい匂いがした。

「はい、どうぞ」鈴の結ばれた紐を渡される。揺らすとカランカランと音がした。お詣りなんていつ以来だろう。僕は2回手をたたいてお願いをした。

『魔法使いになれますように』と、馬鹿な願いだけどこれは小学3年くらいから続けている。

「ねえ、なんてお願いしたの?」少しにやけた表情で尋ねてきた。

「えーと、魔法使いになれますようにって願いました」何か言葉にするととても恥ずかしいということが分かってしまった。

「っふ、馬鹿じゃないの魔法使いなんているわけないじゃん」田辺さんは少しの間笑い続けていた。

 何だろうこの状況は、まるで僕が女の子と楽しく会話しているみたいじゃないか。馬鹿にされながらも少しうれしかった。

「いいよ、明日あたしの家に来なさい、魔法使いにしてあげるから」頭の中でクエスチョンマークを連想してしまった。しかし田辺さんの表情はマジメながら少しにやけたと言った感じ。ちょっと信じてしまいそうだ。いや、こんな表情されたら宗教勧誘でもなんでも『はい』って言っちゃうよ。

「はい」

というか、いきになり女の子の家に呼ばれるなんて本当かどうか確かめる必要がある。

「ほ、本当ですか?」

「うん、明日の午後1時に学校の前集合ね」どうやら本当らしい。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

魔法使いになりたい @arith12

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ