人生ターゲット

金麦畑

第1話 入学式

僕は第一志望校を諦めた。別に学力が足りないんでとかそういう初歩的な理由じゃない、現に学力は足りてたんだ。学校での評価も低くはなかったし、手を伸ばせば届く場所にあった。だけと僕は諦めた。諦めたって言い方はなんだか卑怯だからあえて言うとやめた。なんだかビビっちゃったんだ。


4月6日高校の入学式。僕はアホみたいにでかい体育館の中にいた。そこには同期のやつらとその親そして先生がいた。当たり前だ。だってここは入学式をやってる最中の体育館の中だから。僕は死んださかなの目みたいな目でそこら辺の光景を見てたんだ。緊張してるやつ。すかしてるやつ。希望に満ち溢れてるやつ。元同学の嫌いなやつら。そう僕は不幸にも神様が偶然引き合わせたごとく、僕は一緒になりたくないと願った奴らと一緒にいたんだ。たまんなかった、見世物にされてるみたいでとても惨めだった。そいつらは世間一般からしたら嫌な奴でも何でもなくむしろ面白い奴だった。でも僕は嫌いだった。あいつらはとんだインチキ野郎なんだ。どうインチキかっていうと、みんなの前では凄く働いたり行動するんだけど僕が知ってる奴らは、サボり魔だったんだ怪物級のサボり魔だった。実を言うと僕とサボり魔達は同じクラブだったんだ。とても栄光なことにね。その部活は何だった何て言いたくもないくらいに嫌いになっちゃってるんだけど、まぁそんなクソッタレな部活のチームメイトだったんだ。あいつらは上手かったよインチキなしで、とはいえチーム自体弱かったから何とも言えないけど、僕から言わせたら上手かった。だけどあいつら試合で本気を出さないんだ。足が痛いと言ってみたりして。後半の方は酷かった。あいつらうまくサボって全力を尽くしてる様にみせてたんだ。愉快だったよみんなに見せてやりたかった。でもあいつら人気者だったから、多分みんな信じちゃんだよきっと。僕は学校を決める時にはそんなあいつらと同じにならないように気をつけたよ。でも第一志望校を決めた時にはそんな必要なかったんだよ、てんで住んでる場所から遠い所にあったんだから。でも同じ場所にいるってことはそういうことさ。そいつらとても良い笑顔を浮かべてた。とても良いね、羨ましかった。式が始まるとあたりはシーンとなったねさっきより一層。それで先生達が前にでて、校長先生やらなんか偉そうな人が揃うと

「皆様がたご起立してください」

と言ってみんな一斉に立ち上がるんだよな、日本って感じだ。そこで何だかよくわからないつまらない話を聞きながら椅子に座ってたんだ。僕にもっと学があれば良いお話なのかもしれないけど、僕にそんな学はないし当分いらない。まぁその後は時間の流れとともに式も終わってその日はおしまいさ。帰りはほんとに悔しかった。入学式の看板の前でインチキ野郎達と同学が集まって写真を取ってたんだ。もちろん僕は写真には写らなかったけど学校辞めたくなったね凄く。

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人生ターゲット 金麦畑 @Koikoi114514

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