第6話 紅と白


憂は、はち切れるようにドキドキしながら、きっと着物の帯が苦しいせいに違いない。。。と、目をつぶった。


何もしないよ。。。安心して。


驚くほど耳元で、優しく一矢は囁いた。


唇に柔らかいものが当たる。


甘いよ。。。?ほら、唇を開いて。。。


唇に何か当たる感覚がして、憂は言われるままに、そっと唇を少しだけ開いてみる。。。。はずかしい。。。


そんなことを意識して、何かを食べることがなく、見えないままに何か食べても、味が分かるのか、憂は一矢が自分の顎の下に手を当てて、かすかに上をむかせてくれたことにも気付かなかった。


落とさないでね、ほら、噛んで。。。


一矢が、憂ちゃんの歯、真っ白の白牒貝で出来てるみたいだ。。。


一矢の言うように、スーッと甘い干菓子は口の中で融けた。


そう思ったら、また、一矢に抱き締められた

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