くさい机

@terminal

第1話

「おっ、ゴミ箱があるぞ!」

僕の机を横切るたびにみんなは言う。

僕は小学校でいじめを受けている。

なんでも、僕がエコに関して知恵をひけらかしているのが気にくわないらしい。

だから、委員長が言い出した、

「だったらお前は、どんなゴミでも再利用してみろよ!」

という言葉にみんなが賛同してしまい、今に至る。

僕への嫌がらせのためか、捨てられるのは給食のカスが多い。それはパンの袋だったり、納豆の容器だったり、牛乳パックだったり…

ゴミが増えるたびに片付けてはいるものの、毎日毎日やられてしまっては処理が追いつかない。

「ゴミ箱」が臭くなるのも当然だった。

そんなことを繰り返していたある日のことだった。

「なんですかこの教室は!臭いです!」

担任のおばあさん先生が堪らず言った。

「先生!ゴミを溜め込んでる人がいるからだと思います!いくらエコと言ってもやりすぎです!」

委員長はそう言って僕を見やる。

ちくしょう、気持ち悪い笑みを浮かべやがって。

「それは本当なのですか」

僕は先生に聞かれる。すかさず僕は答える!

「このクラスのみんなに、ゴミは適正に処理をしないと公害の原因になることを伝えたかったんです!」

こんな事もあろうかと、ちゃんと答えを用意しておいたのだ。

「そうですか…でも周りに迷惑をかけるのはやめなさい」

どうやら僕のエコは受け入れられなかったようだ。

エコは一歩間違えばエゴになるから気をつけねばならない。

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