ヤクザ・ウォーズ

RC

短編


2060年、日本


この時代の日本は、天皇家が極道の手で滅ぶ寸前まで行っていた。


こんなことになった原因は、極道ヤクザの仲間割れで抗争が起きたからだった。

日本一大きい組織、銀龍会ぎんりゅうかい


その大きさは全国に進出していて日本の8割の極道が銀龍会の構成員だと言われている。


銀龍会の特徴は、みんな中国から輸入してる特殊なインクで刺青いれずみを入れていて特殊な力を得ている。


なぜ抗争が起きたかというと、跡目争いあとめあらそいだ。天皇家と手を結んでいた5代目銀龍会会長が死んで、反天皇家と5代目の意思を継ぐもののぶつかり合いで起きた抗争だ。


反天皇家のリーダーは金龍きんりゅう 和馬かずま


5代目の意思を継ぐもののリーダーは銀龍ぎんりゅう 武冨たけとみ


最初は、2人の話し合いで始まったがなかなか話がつかなくて、和馬が部下を使い、皇居に攻撃させたのが抗争の始まりだった。


すぐに武冨のところに連絡が入り、皇居に息子の正虎まさとらを向かわせた。


正虎が皇居に着いた時は和馬の部下は警察に取り押さえられていた。


正虎は表向きは警視庁極道対策課に所属している。


これがおかしいって思った人はその考え方のほうがおかしいと思う。


この時代の公務員の九割は極道だ。


ただそれを公にされてないだけだ。


でもその中で警察だけは5代目の意思を継ぐもので構築されている。


5代目が念の為に自分を慕ってる人間を割り振ったらしい。


武冨は警視庁長官だ。


もっとも5代目に近い人間だ。


その一方、和馬は、武冨だけ可愛がられているのが許せなくて、5代目には逆らってばっかで5代目からには見放せれていた。


和馬は、それを良く思わなくて5代目がいなくなったら組を乗っ取ると決意する。


その決意とは裏腹に武冨は、和馬を説得しようと電話をした。


「もしもし、和馬か?」


電話に出た和馬は、こう言った。


「にぃさん、俺は、6代目銀龍会会長になる。それで天皇家を滅びさせて俺の国を作る。」


それを聞いた、武冨は、こう言った。


「和馬、お前のやってることは、極道じゃない。ただのテロリストだ。父さんが今のお前をみたら泣くぞ。みんなで父さんの意思を継ごう。」


和馬は、それに反発した。


「極道もテロリストみたいなものじゃないか。抗争になれば、一般市民を巻き込む。それのどこがテロリストじゃないって言うんだ?もう俺には関わるな、天皇家を守りたかったら守ればいい。今日のはただの準備運動だ。明日こそ天皇家を滅ぼす。」


といい、和馬は電話を切った。


翌日、和馬は電話で話してた通りに皇居を襲撃した。


武冨は昨日電話したあとに、皇居に警察1,000人、部下5,000人を皇居に向かわせた。


天皇の護衛には、武冨の右腕、息子の正虎を付けさせた。


対する和馬は、1万人を引き連れて、皇居を襲撃した。


武装した和馬の組の構成員たちが次々と皇居の中に入っていく。


武冨側は、COPコップと言う、特殊警察部隊を配置させ、皇居に入ってきた和馬の組の構成員たちを次々と蹴散らした。


天皇の元に行けるのは、和馬の組の幹部しかいない状況だった。


それを見据えて、和馬は入り口からではなく。


塀を乗り越えさせて幹部たちを中に入れる作戦だった。


その作戦は成功。


なんとか皇居の中に入れた幹部たちは、次々と天皇の親族を虐殺した。


残るは天皇、皇后、皇太子の3人。


正虎が守ってる皇居の最上階に和馬の右腕、金龍きんりゅう 鷹匠たかしが向かう。


鷹匠は、和馬の息子だ。


鷹匠が最上階に着くと扉の前には正虎がいた。


「鷹匠、遅かったな、お前がここに来るのわかってたぞ」


正虎が鷹匠を挑発した。


「正虎、邪魔だどけ」


鷹匠は正虎に銃を向けた。


「俺は、そんなの向けられても動じないぜ?鷹匠」


正虎がそう言うと鷹匠は笑ってこう言った。


「この技は使いたくなかったけど使うしかないな。死ね正虎」


鷹匠の背中が光り、背中から6本の腕がはえてきた。


正虎はそれに動じることなくこう言った。


「その技使っちまったか。じゃあ俺も使うか。」


正虎の右腕が光り、正虎の右腕は炎に包まれた。


それを見た鷹匠はこう言った。


「正虎、お前成長してないな。今の俺にはそんなの通用しないぜ?」


鷹匠は正虎に向かって、6本の腕で殴ってきた。


正虎はそれを全て避け、炎に包まれた右腕で鷹匠の腹を思いっきり殴った。


鷹匠はその場で倒れて、動かなかった。


正虎は鷹匠を倒したかと思い、一息着けてると銃声が聞こえた瞬間に正虎の足が血まみれになった。


その時正虎は鷹匠に撃たれたと悟った。


もうここで終わりだと思った時だった。


いきなり鷹匠が苦しみ出しうずくまった。


よく見てみると背中にあったはずの腕が全部きれていた。


「兄貴、大丈夫ですか?」


剣を持った男が出てきた。


「ああ、大丈夫だ。足を撃たれた程度だ」


剣を持った男は武冨の三男、正虎の弟の正龍せいりゅう


「正龍、悔しいがこの場から天皇家の生き残りを探してここから逃げるぞ」


と正虎は正龍に指示をして天皇と皇后と皇太子を連れて皇居をあとにした。


正虎達は事務所のある大阪へ逃げた。


後日、武冨と和馬が話し合い、和馬が6代目銀龍会会長で武冨は破門という形で抗争の決着がついた。


この抗争を金銀抗争きんぎんこうそうをという。


武冨は、大阪で神和会しんわかいを作った。


和馬は、天皇がいなくなったのをいいことに皇居に銀龍会の本部を移転させ、日本の東側に国を作った。


その国の名前は龍神帝国りゅうじんていこく


名前の由来は銀龍会を神として讃える帝国だ。


毎日東と西の境目では銀龍会と神和会のぶつかり合いが起きていた。


神和会は、これ以上負傷者を出さないために東と西の境目に5メートルの壁を作り、銀龍会の奴らを入れさせないようにした。


それと同時に東から逃げてくる難民が西に逃げてこれなくなった。


それをいいことに銀龍会は難民を西に逃がすビジネスを展開し、その中に銀龍会の幹部と構成員をバラバラに混ぜて西に行かせるという作戦を企ててた。


だがしかし、東の難民は銀龍会を信用せず自力で東を脱出するものが増えて行き。


その作戦は実行せず終わった。


銀龍会は難民が西へと逃げて、国民がどんどん減っていくのをよく思わなくなり東の港と空港を全て閉鎖して、西へ逃げようとする者は全て刑務所に収容して処刑すると脅し西へ逃げる人達を減らした。


一方西では、難民が減ったのはいいものの、元々西にいた国民の怒りが爆発して難民虐殺、天皇がいる神和会本部襲撃と問題はどんどん積み重なっていた。


これ以上問題が悪化してはまずいと思った武冨は、6代目銀龍会会長の和馬に連絡し、和解しようとした。


「もしもし、和馬か?今こっちも色々あってやばい状態だ。お前たちのやってることは気にくわないが今俺たちがいがみ合ってもしょうがないからここは協力しないか?」


それに対し和馬はこういう


「いくら実の兄弟でも今は他人だ。自分が切羽詰まったら兄弟を頼るのはやめろ。兄さんが招いたことじゃないか?親父の意思継ぐとか言って結局俺らと同じことしてるんじゃないか?本当にこれが親父が望んでたことか?まぁー協力はしないが問題が良くなるまで、そっちには攻撃はしないでやる。それがダメなら俺はもう知らん。」


これに武冨はこういった


「和馬、ありがとう。お前ともちゃんと話してればこうならずに済んだかもな。」


和馬はその言葉を聞き一言言って電話を切った。


「気持ち悪いぞ。」


それから2年が経った。


2062年。神和会は難民区域と一般人区域を作って争いをやめさせようとした。


難民は四国に送り。


四国にいた人間は、本土で暮らすようにさせた。


それで神和会は、新たな法律を作った。


難民区域を新たな国として認める。ただし難民区域から出るときは難民証明とパスポートが必要。


どちらかであってもでれるが命の保証はしない。


といった事実上の差別をして争いを無くそうとした。


それで難民区域のリーダーを武冨が難民の中から決めた。


その名前は、田村勝たむらまさる


正義感があり、誰でも接しやすい気さくな性格、リーダーにはふさわしい人間だか、キレると人が変わる。西と難民の争いで西の人を次々と殺しバラバラにした。


バラバラにしたのは男だけで、女は監禁して拷問して、服従させ、難民の男共の性欲求の解消する道具として使わせてたという噂も流れるほど難民からは恐れられていた。


武冨の耳にもその噂は入っていた。


田村を難民のトップにすれば難民は逆らえない。


それが武冨の狙いだ。


武冨は、早速田村を呼び出し、盃をかわした。


「田村、もうこれで俺らは親子だ。お前には期待してるぞ。」


と武冨が田村に言った。


「ありがとうございます。自分なんかにこんな役目をもらえて幸いです。」


と田村が返した。


武冨が大声で笑った。


「大した少年だ。ちゃんと礼儀ができてるとは。俺の組に入らんか?」


田村はこう返した。


「自分はまだリーダーになったばっかです。自分がいい成績を残したら神和会に入れてください。」


武冨は笑顔でこう言った。


「お前気に入った。いい成績を残せよ」


武冨は席を後にした。


翌日、難民区域に天皇が訪れた。


暗殺防止の為に神和会幹部の3人が護衛についた。


その3人とは銀龍 正虎、銀龍ぎんりゅう あきら、銀龍 正龍


最も武冨が信用している3人だ。


銀龍会にいた頃から銀龍三兄弟として他の極道から恐れられていた。


天皇が難民区域に到着すると、田村が難民たちを引き連れ、天皇の迎えに来た。


「天皇、長旅ご苦労様です。」


田村が天皇に一言言った。


「ありがとう。」


天皇は、田村に笑顔でお礼を言った。


その時だった。


1人の難民が田村に銃を突きつけると田村の周りにいた難民が銃を持ち、天皇たちを囲み出した。


「俺も舐められたもんだな。」


いきなり田村が喋り出した。


田村は銃を突きつけてる奴から銃を奪い、躊躇なく、銃を持ってる奴を笑いながら撃ち殺していった。


「天皇、すいません。お見苦しいところをお見せしました。」


田村は天皇に土下座をした。


「まぁーよい、顔を上げてくれんか?」


田村は顔を上げて天皇にこういった。


「落とし前はちゃんとつけます。」


田村は自分が持っている銃を頭に銃を当てた。


その瞬間、天皇が大声をあげた。


「お主が命を粗末にする必要はない。」


天皇は田村が持っていた銃を奪った。


「お主が命を落として何になるんじゃ?日本がこうなったのもわしのせいじゃ。わしが落とし前をつけよう。」


天皇は自分のこめかみに銃を突きつけ、引き金を引いた。


カチャン。


銃から出るはずの弾は出なかった。


「神はまだわしにこの国をまもれとおっしゃっておるのか…」


と天皇がいい、銃を落とす。


田村が天皇に一言言った。


「この国にはあなたが必要なんですよ。この分裂を1つにするように一緒に力を合わせ頑張りましょう。」


それを聞いた天皇の目から涙が出た。


それから天皇は難民区域を視察して帰った。


翌日、難民区域に6代目銀龍会会長の和馬が押し寄せてきた。


和馬は難民区域リーダーの田村の胸ぐらを掴み言った。


「お前か、俺の部下をやったって男は。」


田村は和馬にこう返した。


「あなたの組の人たちをやった覚えはありません。あとここは神和会のシマですよ?ちゃんと仁義を切って来てるんですか?」


和馬は口答えされたことにカッとなり田村にドスを突きつけこう言う。


「てめぇーみたいな難民のクソガキ殺してもいいんだぞ?どうせ難民の1人や2人なんぞ殺されても神和会にとってはどうでもいいことだからな。とにかく俺の部下をやったんだから落とし前はつけろ。」


そこに噂を聞きつけた1代目神和会会長の武冨が仲裁に入った。


「和馬お前、人のシマに断りもなく入ってくる仁義のない極道になったんか。」


和馬は武冨に対しこう言う。


「仁義とかいう問題じゃないんだよ、にぃさん。俺の部下がこの男にやられたから落とし前をつけさせにこう出向いてるんじゃないか。」


武冨は田村から和馬を引き離し和馬にこう言った。


「それは本当に、お前の部下なのか?もしお前の部下ならお前は攻撃しないって約束を破った事になるな。喧嘩をふっかけといて被害者ヅラは良くないな。お前は父さんにそう教わったんか?わかったなら戦争の準備しに帰れ。帰らないって言うんだったら今すぐ戦争してやろうじゃないか。」


和馬は武冨の迫力に圧倒され、逃げるように帰っていった。


それから神和会は、銀龍会と事実上の抗争状態に陥った。


まず神和会は、銀龍会によって衰退していた組と盃を交わし傘下に入れて、表上は右翼団体として龍神帝国に送り込み同じく銀龍会によって衰退した組に加盟をさせ、銀龍会の気を引いた。


銀龍会は、神和会の思惑を気づかないまま神和会に振り回され、1年が経った。


2063年、東と西の境界の壁崩壊。


それを機に一気に龍神帝国に神和会が攻め入った。


銀龍会は神和会の奇襲に慌てて、幹部たちを出した。


そこには6代目銀龍会若頭の鷹匠と6代目銀龍会直系ちょっけい金誠会きんせいかい会長のまことも含まれていた。


銀龍会は滅多に誠を出したりはしない。


なぜなら誠の力は父の和馬とほぼ互角で人望も厚く、今の銀龍会には居なきゃいけない人なのだ。


なので銀龍会が誠を出したってことは本気になったって証拠だ。


それも知らずに神和会は、田村を筆頭に難民達が銀龍会と衝突した。


だか、なにも能力のない難民達は銀龍会の下っ端共に次々と殺され、誠の元に着いたのは田村一人だけだった。


「どうやら僕の元にこれたのは君一人だけだね。堅気のくせに調子乗るなよ?クソガキ。」


誠はすごい剣幕でいった。


「俺が堅気に見えたんか?俺は武冨の親父とさかずきを交わしたんだぜ?もうそれで極道だろ?」


田村は笑って言った。


「本物の極道はこれを使えるんだよ?」


誠はそう言い、近くにあった車を触ると車が光り、エンジンがかかり田村の方へ走り始めた。


「なーんだ、そんなことか。俺も出来るし。」


田村はそう言い片手で車を止めた。


止めた瞬間、車が光りだし車は誠の方へ向かって行った。


「お前の技は俺には通用しねぇーよ。」


田村は誠にそう言う。


誠は避けたが脚を車に轢かれ、右脚が捥げた。


誠は、そのまま動けないでいると田村が近づいてきて誠の額に銃を突きつけた。


「君、強いね…」


と誠は田村に言ったら田村はこう返した。


「当たり前だろ。俺は武冨の親父の実の息子なんだから。」


田村は、武冨と盃を交わした時に「実の息子」と言われていたのだ。


その時の田村は喜んだ。


何故かと言うと、父親が見つかったからだ。


田村が生まれて間もない時に養子として、田村家に拾われた田村は、生まれの親がヤクザだと言われ育ての親にいじめられた。


田村が4歳の頃の時に父親を探すと決意し、犯罪に手を染める。


窃盗で始まり、傷害、強盗、詐欺、恐喝等をやってきた田村は18歳の時だった。


自分の父親は銀龍会に居ると知ったのは。


それから田村は銀龍会に近づき、銀龍会の2次団体の組長に気に入られて、その2次団体に入り金銀抗争の騒ぎに便乗して西に逃げ、武冨に拾われて今に至る。


誠は田村にこういった。


「早く僕を殺してくれないかな?こんな惨めな状態をお父さんに見られたら僕を生きていけないよ、だから早くその銃で僕の額を撃ち抜いて。」


田村は誠にこういう。


「お前みたいなやつ殺すのはもったいねぇーよ。もっと強くなってもう一回俺と勝負しろ。その時にちゃんと決着つけてやるからそれまで強くなってみろ。」


田村は銃を誠の額から離し、去っていった。


誠の目からは涙が出ていた。


この時の誠の心情は悔しさと惨めさと有難さが絡み合って誠自身がなんで泣いてるのかわからなかった。


田村は武冨達が待機してる所へ帰り、誠を倒したことを報告した。


武冨は、次に正虎、晃、正龍を和馬達の元へ送った。


正虎達は和馬の元へ向かう途中に鷹匠に出会った。


「鷹匠、ここでお前と決着つけてやる。覚悟しろ。」


正虎はそう言い、火を纏った右手で鷹匠に殴りかかった。


「正虎ぁー!!覚悟するのはお前だぁー!」


鷹匠はそう言って、背中から6本の腕を出し正虎の拳を止め、正虎を殴った。


正虎は数メートル吹っ飛んだ。


倒れてる正虎を横目に鷹匠は嘲笑う。


「鷹兄、僕たちがまだいるよ?」


晃が鷹匠にそう言った。


「お前達なんて眼中にないわ!!」


鷹匠がそう言うと共に鷹匠の背中からは血が出てきた。


鷹匠はその場でもがき始めた。


背中の腕を切ったのは、正龍だった。


「これは、兄貴の分です。それでこれは僕たちを侮辱した分!!!」


正龍はそう言い、刀を振り下ろした。


しかし、鷹匠に当たる直前で刀は止まり、正龍が後ろを振り向くと、正虎が正龍の腕を掴んで止めていたのだ。


「やめろ、正龍。俺が鷹匠と決着をつける。手出しは無用だ!!」


正虎がボロボロの体でそういうと鷹匠はこう返した。


「お前、その体で俺に勝てるとでも?俺をバカにすんな!!!」


鷹匠は起き上がり、懐から銃を出した。


「お前もボロボロじゃねぇーか。」


正虎は、鷹匠そう言い。右手に力を込めた。


力を込めた瞬間、右手が今までより強く光った。


なんと、正虎の右腕全体が火を纏っていた。


それを見て鷹匠は驚いた。


「お前、なんだその腕は…」


鷹匠は正虎に問いかけた。


正虎はこう返した。


「これか?これは神和会を守るために進化した俺の力だぁー!!」


正虎は鷹匠向けて、火を纏った右腕の力を開放した。


鷹匠は避けきれずに正虎が放った火に包まれた。


「くそおぉーー!!正虎ごときにこの俺が負けるとは…」


正虎は火に包まれてる鷹匠に背を向けこう言った。


「お前と俺とじゃ背負うものが違うんだよ」


鷹匠を倒した、正虎は和馬がいる銀龍会本部へ向かった。


向かってる途中変わり果てた街並みを見て正龍がこう呟く。


「この街も僕達がいた頃とは違ってひどくなってるね…」


正虎は正龍の言葉を聞いてこう言った。


「この街がこんなにひどくなったのは俺達のせいだ。だから今こうやって落とし前をつけるために戦ってるんだろ?この街を俺達がいた時よりいい街にするために」


正龍は黙って頷いた。


正虎達が話していると、目の前には銀龍会本部が見えた。


和馬がいるのは最上階。


正虎達は最上階へ向かった。


しかしそこにいたのは頭から血を流して倒れてた和馬がいた。


和馬の手には銃があり、恐らく自らの手で死んだのだ。


正虎は武冨に電話をかけて銀龍会本部に呼んだ。


銀龍会本部に駆けつけた武冨は和馬の遺体を確認して銀龍会の構成員を全員呼び、こう告げた。


「6代目銀龍会会長、若頭死亡により銀龍会を解散させる。行き場のない奴は神和会で面倒を見る。その他は金誠会など他の組みへいけ」


その銀龍会解散宣言から3年…


銀龍会の構成員はほとんど金誠会に行き、神話会と金誠会が対立していた最中に元々難民だった田村を神和会銀龍組の2次団体田村組の組長にした。


それにより和馬の意思を継いだ、誠は田村に説得され、神和会の傘下に降ったのである。


これで神和会は日本一の極道へ成り上がって行き、銀龍会に荒らされた街もだんだんと復興していった。




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