愚か者の偶像

偶像崇拝

神とは、偶像である。知恵とは、偶像である。この世の全ては、偶像である。本能で求める物以外の全ては、偶像でしかない。

人は愚かだからこそ、形のない偶像に囚われている。

意志のない偶像に意志を見出し、心を絡め取られ、ただ獣のように生きれば良いものを、ヒトという愚かな在り方に拘り続けている。

同族へのご機嫌取りに腐心し、他者を見下し悦に浸るためだけに偶像へ手を伸ばす。愚かなヒトが作った偶像の中で、愚かなヒトとして生きることに拘り続けている。

この世の全ては偶像。金も、権力も、何もかも。信じるものは全て形のないもの。手を伸ばしても触れることは叶わず、手に入れたところでその実感はなく、際限なく求め続ける。

そんなものを幾ら積み重ねたとしても、容易くヒトは死ぬ。偶像は決して助けてくれない。その事実から目をそらすために、愚か者は偶像を崇拝し続けるのだ。