文房具

ハサミ

【さて、記念すべき第1回目の探険だ!】

『「おぉーパチパチッ」』


【これが、巨人─もとい人間の使っているハサミだ!今日はこれを探険しようと思う】

「わ~、おっき~い!」

『隊長。私たちも小さいけども、一応人間です』

【む。フェムト隊員。とりあえずわれわれは小人というくくりで話を進めようと思う】

『わかりました。私たちは小人、そして大きいのが人間、ですね』

【うむ。では、フェムト隊員。ハサミの概要を頼む】

『はい!このハサミは私たちが普段使っているハサミと形は一緒です。持ち手の部分は青色です。あ、ピコ隊員が小人用のハサミを持っているようですね』

「ふぇ~このハサミが人間用になると、これだけ大きくなるですね」

【うむ。では、あそこの持ち手部分が地面に着いている所から、早速登ってみよう】

『「はい!」』


         *

【よいしょ、よいしょ。みな、着いてきてるか?】

「は、はい~(>_<)」

『な、なんとか・・・』


         *

【よし、持ち手部分に到着だ!】

『大きい穴に小さめの穴。指を入れるところですね』

「形は小人用と一緒ですけど、登るのがこれだけ大変だとは思ってなかったです~」

【では、少し散策してみよう】


         *

『あ、ここが指を挟まないように配慮された突起部分ですね』

「ぼく、硬いダンボールを切ったときにこの突起部分で指を挟んだことがあります!」

【それは、どんくさいな】


         *

『ここが、持ち手と刃の境目です。刃の方向にもう少し進むと、刃の留め具があります。あれですね』

「この刃と刃の間、僕たち入れそうですね」

【うむ。では刃の方に進んでみよう】


         *

【む!!大変だ!人間がこのハサミを使おうとしている!】

『留め具周辺なら可動域も少なく、振り落とされないと思われます!』

【では、その留め具周辺の刃と刃の間に隠れよう!】

『「はい」』


         *

【2人とも!いるか!?】

『「はい!」』

【なんとか、潜伏に成功だ!振り落とされないように、しっかり掴まるんだぞ】

「あ、隊長!人間が紙を切ろうとしています!」

『なるほど。紙に書かれている線に沿って切ろうとしていますね。あ、ズレた』

【うむ。普段何気なく使っていたが、この2つの刃が離れては切り、離れては切り・・・こうやって見るとなかなか迫力があるなぁ】



        ***

【これにて、ハサミの探険は終了!】

『なかなか興味深い探険でした』

「みんな無事で良かったです」

【さて、次はどこを探険するか】

『「★お楽しみに★」』

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