第2話

(まったく、もう…ママったら何考えてんのよ……)



ママに悪気がないことはわかってる。

いや、むしろ、私に気遣ってるんだと思う。

二人だけで仲良くしてたら悪いって、余計な気を遣ってくれたんだ。




そう…ママの彼氏はシュバルツ・シュメルツのヴォーカリスト・瑠威。

今日、ライブを見たばかりのあのシュバルツ・シュメルツのあの人…




私のママは今の私と同じ二十歳の時に私を産んだ。

つまり、現在四十歳。

センスも良いし、娘の私から見ても若くて素敵なママだけど、瑠威よりは十五歳も年上だ。

そんな彼とママは私が恥ずかしくなるほど、ラブラブで…

しかも、半年前から瑠威はうちに居候してる。

なんでも、瑠威は正式にプロポーズしたらしいんだけど、ママはシュバルツがメジャーデビューするまではだめって断ったらしくって、それならってことで一緒に住むことになったってわけ。

ちなみに、私のパパは私がまだ四つの時に事故で亡くなった。

その後、ママは女手ひとつで私を育ててくれた。

ずっとお針子として働いてて、五年ほど前からはお友達と一緒にブティックを経営するようになった。

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