第2話



「……やっぱり生は違うよね。瑠威最高……」


さゆみは、頬を上気させ夢見るように呟いた。




確かに、ライブはすごかった。

見に来てるお客さん達もみんな派手でキラキラしてて…ホールそのものが私には別の世界みたいに感じられた。

ライブ自体も、思ってたよりもずっと激しくて格好良くて…

まるで、夢の世界に迷い込んだような気分を感じた。




あのライブを見たら、誰だってファンになってしまう…

それほどまでに魅力的なメンバーで、曲も激しいけれど耳に残りやすくてなじみやすくて、自然に身体が動き出してしまう。

綺麗なだけじゃなくて、お茶目で可愛かったり、面白かったり…

各々のメンバーが個性的で…

見た目も曲もおしゃべりも雰囲気も、どれをとっても完璧だもの。

男らしいところもあるせいか、同性のファンも多い。




「ねぇ、望結みゆ…誰が好みだった?」


「え?……わ、私は、そんなの……まだわかんないよ。

今日、初めて見たんだもん。」


「あたしだってライブは初めてだよ。

でも、ますます瑠威が好きになった。

もう~~~…格好良すぎて……はぁぁぁ……」


さゆみの瞳はすっかりハート形になっていた。

確かに、瑠威は格好良い。

お化粧をした顔は涼しい瞳の美人のお姉さん。

歌もうまいし、おしゃべりもうまいし、歌う時のアクションはキレがあるし、目つきはたまらなく色っぽい。

さゆみがメロメロになるのも当然だ。

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