第48話 男の決意

朝の大雪で電車が止まってしまった。

今日は重要な商談があるのに。


これで取引は失敗、僕は課長にパワハラをされた上で左遷コース確定だ。

それもサキちゃんの見ている前で……。


よし決めた!

僕に指一本でも触れたら、逆に柔道で投げ飛ばしてやる。

どうせ左遷されるんだ。やってやるぞ。

今日は課長をぶん投げて、サキちゃんにも堂々と告白するんだ。

ようし腹を括ったぞ!


「お早うございます!」


「おおやっと来たか。今朝は雪で大変だったな」


あれ?


「おおいサキちゃん、温かいお茶出してやって」


なんだよ、なんで今日に限ってこんなに優しいんだよ……。


「さっき先方から連絡があってな。雪で間に合いそうにないから商談は中止に……」


「あの大丈夫ですか?さっきから震えていますけど」


サキちゃんに肩を叩かれたとたん、僕は反射的に


ソイヤ!


彼女を投げ飛ばしていた。


「課長!ずっと前からあなたのことが好きでした!」



もう自分でも何がなんだか分からないよぅ!

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