第5話 供述書

近頃は物騒な事件が絶えませんよね。

僕も子を持つ親として(設定)とても心配です。

とくにウチの娘(架空)は天使みたいに可愛いので。

やはりあの子は嫁(脳内)に似たのでしょうね。


嫁というのは僕の高校で一番可愛かったハシモトさんのことです。

こっちのハシモトさんは僕のことをキモ虫呼ばわりしませんし、僕の葬式ごっこで手を叩いてゲラゲラ笑ったりもしません。

校舎裏でモジモジしながら僕に告白してきたのが本当のハシモトさんなんです。

だってもし僕が不登校になっていなければ、バスケ部のイケメンより僕を選んだはずですからね。


それで僕は彼女に相応しい男になろうと発奮し、一流大学に合格し一流企業にも入って……(中略)……今は衆議院議員をやってます。


そんなわけで、あれは同じ年頃の娘を持つ親としての、いち政治家としての幼女ウォッチングなんです。

それをあの幼女ときたらいきなり防犯ブザーですよ?



ねえ刑事さん、酷いと思いませんか?

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