「構成力を意識してみよう杯」にご参加いただきありがとうございます。
良かったなと思ったところは世界観、情景描写です。とくに情景描写が印象的な作品でした。
世界観の構築としては危機感や日本人の立ち位置が分かりやすかったので良かったです。情景描写はとても丁寧にしてあったので、すぐに想像できました。
気になった点は、全体的な構成と読者への気遣いです。
全体的な構成についてです。このお話は、全体を通して物語の時期が突然変わるのでとても混乱しやすかったです。基本的にですが、読者は一番最初の時間帯を物語の主な時間と考えます。それが昔でスタートしていること、突然今の話に飛ぶことの両方が合わさってとても混乱しました。こういう雰囲気に慣れていたりする方ならある程度見当がつきますが、SF慣れなどをしていない読者にはとても厳しい構成だったのではないでしょうか。また、内容的に延びてしまうのはわかるのですが、過去編がとても長いため現代編が圧縮されてしまっていること、それを補填するには少々本編の勢いが足りないことが気になりました。全体的な文字数の比重の構成を見直すということをするとよいのではないか、と思いました。
読者への気遣いについてです。上記のこともなのですが、読者への配慮が少しうすいかなと感じました。映像がしっかり頭にあるんだろうな、と伝わるのですが、何も世界を知らない読者からするともう少し優しさが欲しいです。読者はよく世界がわかっていないんだ、という前提であると嬉しいです。
キャラや情景描写が上手いな、と思うだけに過去編現代編の文字数の比重が拘ってあればかなり読みやすくなるのではないかと思いました。メインをどこの視点に置くか、しっかりと魅せたいシーンはどこなのか、という点を項目に加えて構成してみてはいかがでしょうか。
長文失礼しました。世界観は好みだったので楽しませていただきました。
全編通して濃厚な物語ですね。
夢中になって読ませて頂き、あっという間の14話でした。
戦闘シーンで短い文を連ねて表現されていた部分は、森博嗣の『スカイ・クロラ』シリーズを彷彿とさせ、とても緊迫感がありました。
そして丁寧な情景描写はまるでアニメのようで、一つ一つのシーンが脳内再生できました。政治的なお話を物語に絡められていたのも、現実味があり圧倒されます。
また龍平の戦う目的も明確で一本筋が通っており、こういうキャラクターをいつか書いてみたいなと思いました。
長文失礼致しました。
ここまで緻密な物語を私自身が書けるかどうか解りませんが、少しでも参考にさせて頂き、精進して参ります。
素晴らしい作品を拝読させて頂き、ありがとうございます。
作者からの返信
過分な評価を有難うございます。
森博嗣さんの『スカイクロラ』は私も読みまして、好きな作品ではありますが、本作に多大な影響を及ぼしているのは、月村了衛さんの『機龍警察』ですね。制御システムの考え方を参考にさせていただきました。ロボットもののリアリティを追求するのであれば、お勧めです。(お読みになっているかもしれませんが)