第2話 恋人
起
ある日、母が兄に一言。
「あんたは彼女つくんないの?」
唐突である。
「興味ない」
「じゃあ、彼氏でもつくるんかい?」
「もっとない」
「そうかい」
「そう」
承
「妹は彼氏つくったのにね」
「そう」
さらっと個人情報を漏らす母。
家族でも、それは勝手に話していいのか。
「反応薄いけど、知ってたの?」
「知らない」
「そうなの」
「興味ない」
転
後日。兄は妹に聞いた。
「彼氏ができたって?」
「あー、別れたよ」
「そう……なんかあったの?」
「さあ?」
「さあって……」
そうは言っても、妹にも理由はわからないのだから。
「なんかあったから、別れたんじゃないの」
「特になにも……」
「心当たりないの?」
「まったく」
結
その後、彼について話した。まとめると、
妹の通う塾の後輩で、向こうから告白。妹はそれを受けた。
それだけだった……それだけ……。
付き合うって、意味わかってる?
「原因はわかったね」
「そーだね。どうでもいいけど」
「そう」
結論
三次元の異性に興味なし。
兄妹 ~兄と妹の日常~ レギオン @LEGION
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