第10話 魔王っぽさ

幼馴染「そういえば魔王さんて、全然魔王っぽくないですよね」


魔王「何を言っているのか皆目分からないな。ところで知ってるか? 肘ってどう頑張っても顎につかないんだぜ?」


幼馴染「ごまかし方に余裕がなさすぎです…諦めましょう? 別に威厳がなくたって、私は魔王さんが大好きですから」


魔王「魔王っぽさねえ…例えばどういう振る舞いが魔王っぽいのかな」


幼馴染「手本を見せてあげましょう。私が魔王役、魔王さんが勇者役ですよ」


魔王「寸劇か…面白そうだね」


幼馴染「『何故分からぬ? 継続した運動と好き嫌いしない食生活……それ以外に理想の体型を作る方法は無い!』」


魔王「……えっと、『そんなの……わからねえだろ! わからねえけど……グータラな日々を送って好きなものを好きなだけ食べて、それでナイスバディを手に入れられる……そんな夢みたいな未来が、いつか来るかもしれないだろうがっ!』」


幼馴染「『愚かな……っ!』」


魔王「……」


幼馴染「……やめましょっか」グス


魔王「うん……」グス





メイド「むっ……くっ……も、もうちょっと……!」ヒジマゲー


女史「……なにをしているのですか、メイドさん」

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