第24話 清水の裏声はキモイ

 僕は具体的な活動の流れを改めて聞いてみた。

「それで、どうしているの?こんな場合2次活動としては」

「別に特別なことはしていないよ、今までは二人で話し合ってこれはと思うアイデアが出たら、お互いに話し合ってプランを考える。それを対象の人に提案する。それがもし却下されたり、受け入れてもらえ無さそうな雰囲気ならそれとなくそのような選択をさせるように誘導することもあるかな」


 うわ~誘導とか言っているよ、ずいぶんといろんな意味がありそうだね。そんな事を思っていると、

「だけど今は彼女がどうして男性恐怖症みたいになったか原因を知ることからはじめないとね」

 と清水は続けて言った。


 確かにそうだな、男性恐怖症か、僕が女性が苦手なのと似ているっていうか基本構造は同じだな。


「もしできるなら」

 と僕は勤めて遠慮がちに言った

「もしできるなら、田中さんがそれとなく彼女に、どうして清水君と付き合いたいと思うようになったところから少し突っ込んで聞いてみるっていうのはどうかな?だって男が嫌いなのに清水と付き合いたいと思ったのって、それなりの理由があるからでしょう?」


「なるほど~そうだねゲス海とはちょっと違ったやり方で面白い」

「確かに、今までの僕のアイデア、アプローチが間違っていたのか、さすがだな松君。実は何回かどうして男性が苦手なのか田中を通じて遠まわしに聞いていたんだけど」


 そう言うと清水は声色を変え、

「え~はなあ~そんなことないよ、どうして私が男性苦手とか超おかしいし~なんでそんな事聞くのかな~」

 と、かなり無理をして梶本さんの声まねをした。


 清水さん、努力は認めますがそれはさすがにあなたの爽やかキャラと100%合いませんので、金輪際止めてね。気持ち悪いよ。


 僕と田中さんが若干冷ややかな軽蔑のまなざしを向けると、清水は完全に滑った事を理解したらしく気分を取り直すため咳払いをした。へえ~清水君も恥じらいの表情なんて見せるんだ。

「まあ、取り敢えずそれじゃ田中はこの件宜しく。なんとか真意をできるだけ松君の方法で聞き出してみて」


「了解~!あと彼女高いレストランとかしか興味ないから活動費のほう宜しくね~」

「ああ、そうか~彼女は東証一部上場起業カジモト製作所の一人娘だからね~まあ宜しく頼むよ、2次活動費は余っているから心配ない」


「だけど、玲奈も清水と一緒なら普通のレストランに入ってくれるんだな~、初めてわかったよ。女子だけなら絶対!雑誌に載っている高級店にしかいかないからな~本当疲れるよ。高級な店で高級な料理ばかり食べても緊張して私、味わかんなくるんだよね~お小遣いも足らなくなるし」


 相当高級志向が高い良いとこのお嬢さんなんだな。田中さんも大変だな。しかし僕も入る高校ひょとして間違った?まっまあここは田中さんを元気付けないとな。


「ありがとう、田中さん宜しくね」

「あっいや、そのにじかつだし全然構わないよ私、ははははは~」

「じゃあ、田中、松君、今日はこれで解散でいいかな?」

「そだね」

 僕たちは喫茶店を出てそれぞれの帰途についた。

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