壊変性楽器の必殺宣言
オドラデク
序
人間は声を出す楽器だとしたらどうだろう。言葉によって信じがたいほどの汚辱をやらかしてきた人類もそろそろ嘔吐という嘔吐に埋め尽くされるのではないだろうか。陣痛の苦しみがこれほどまでに過大評価され去勢がこれほどまでに実践されたということは滅亡の徴にふさわしいものとはいえ、魚の腹の中に入った預言者よろしく狂信的な喚き声という猿の惑星を除けばまだまだスクリーンの中にしか詠唱の可視化は存在しない。私がここで必殺技を使うのだとしてもそれは商品生産のためではなく放射能の殺意と同一化するためなのだが、核実験という核実験が近親相姦として呼吸するという事態を前にしては厳かな勝利宣言も美しい『死ね』という文句とともにぺちゃくちゃしゃべっている口の動きに還元されてしまうだろう。まさにそうであるからこそ隣人愛という貨幣を永遠に求め続ける欲動を自動化されたメルトダウンで壊変すべきということになる。さあ口を動かす練習を始めよう。
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