僕らの関係。
穗山 莉樹
第1話
プロローグ
あの暑い暑い夏、大きな赤い薔薇を一輪咲かせた君にであった。
片手に薔薇の花びらがついたジョウロをもって君はただただ泣いていた。
僕は
君が誰なのかを知らないまま
君の咲かせた花を摘んだ。
そしてそこから誰にも理解されることのない僕たちの2人だけの何かがはじまった。
2015年12月4日
プルルッ。軽快な音が僕の頭のなかで跳ねる。
僕は軽快な音に起こされるかたちで電話にでる。
「雄太 涼さんおはようございます。朝ですよぉ!
起きてますか??
そして、今日は何時から空いてますか??」
美緒 杏からいつものように電話がくる。
「19時くらいかな。18時まではバイトがみっちりでさ。期待したかもだけどごめんね美緒さん。」
美緒 杏は少しトンを落として答える
「そうなんですね、しかたないですね。
じゃあ6時半くらいには、雄太さんの家でご飯作って待ってますね。」
「あぁ、美緒さん頼むよ。最近まともな飯食ってねぇんだよ。」
「あれれ??雄太 さんの彼女さんの杉山 凛さんはご飯をわざわざ頻繁に作りに来てくれるマメな人じゃなかったっけ?」
少し嫌味っぽく聞いてくる。
「凛は最近忙しくてさ会う暇すらないんだよぉ〜。たまに電話できればいい方って感じでさぁ。
美緒さんこそ、高梨 悠とはどうなってんだよー。」
「私がいつも暇みたいな言い方しないでよね!
悠とは上手くやってるよ〜。
私は、最近凛さんを見習ってマメに悠の家にご飯を作りにいくようにしてるんだよー!」
少しふてくされてる感じが電話ごしに伝わってくる。
「あぁ。美緒さんも成長されたんですねぇ!」
「その言葉八割型嫌味でしょ。
相変わらず雄太さんは酷い人だよね。」
クスって笑い声をさせながらゆってくる。
「そんな酷いなんていうんじゃねぇやい!!」
僕は笑いながら答える。
じゃあまた18時半ね!
そう言うと美緒さんは電話を切った。
-----19時--
バイトが終わって家に帰ると、
美緒さんがご飯を作って待っててくれた。
一緒に美緒さんとご飯を食べた。
美緒さんと居ると安心する。
凛とは違う、やっぱりこれは同じ問題を抱えてるもの同士だからこそ感じるものなのだろうか。
そんなことを考えながら作ってもらったから揚げを口に運ぶ。
すると美緒 杏が僕に語りかける。
「私は雄太 涼といると安心する。
高校時代雄太さんに助けてもらったからこんなに安心できるのかな。」
そう言って彼女は微笑む。
俺は心の底にある感情を抑えきれなくなって彼女の首元に手をまわす。
そして今にも折れてしまいそうなか細い首を自分の持てる最大限の力で締める。
彼女は、今までに誰にも見せたことのないような表情を僕に見せてくれる。そしてその表情を見た後落ち着いた僕はそのか細い首から手を離す。
今度は彼女が気持ちを抑えられなくなったのかおもむろに僕のズボンを捲り上げ僕の太ももに綺麗な赤い花を咲かすとすごく嬉しそうにして寝てしまった。
僕は彼女のその落ち着いた姿を見ていたら眠くなって寝てしまった。
2015/12/5
目を覚ますとそこに彼女の姿はなかった。
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