資本蓄積
・貨幣は買う能力を使用者に付与する。貨幣増刷におけるインフレは課税手段になりうる。それは借りている貨幣、あるいはより信用が物質化されている形態の貨幣の価値と信用を減少させる。つまり貨幣によって計算される利益と、欲望によって解釈される利益があるということ。何によって計算されるかは解釈によって生産される単位によって決定され、欲望が余剰価値になる。欲望を与えることができないのなら、計算された欲求を売るしかなくなる。欲望が過剰に供給されれば、単位の価値は下がっていく。
・情報は少なくとも自分が知らない情報でなければ価値がない。たとえそれが嘘であったとしてもである。より多くの情報を持つ者は情報をどう売るのかを決定できる。しかし情報が売りうるのはそれが有用である限りである。情報はそれが何の役に立つのかは知られていなくてはならないが、どう役に立つのかは知られてはならない。そうでなくては情報は知識に転化してしまう。知識は情報の所有形態であり、それは情報の伝達を阻害する。知識はそれ自体が有用な情報として信用を付与しつつ売ることができる。逆に欲望は信用をそれ自体では付与できない。知識への欲望は信用の単位として伝達される。当然知識が役に立たないという情報が伝達されれば知識は無用になる。つまり伝達が阻害される分だけマイナスの価値を持つことになる。さらに知識への欲望として伝達されていた単位も価値が下がる。この欲望は排除された。情報は他者に有用な伝達の単位で売らなければならないのだが、逆に考えれば万人に有用な情報とは自分自身の欲望の情報を与える方法にほかならない。だから自分自身の欲望の情報を与えない者は他者の欲望の情報を買い続けなくてはならないことになる。それも有用となった欲求を売ることでである。知識はそれを物質化するあるいは神秘化することで価値の切り下げを防ぐことができる。物質化すれば当然伝達効率は落ちるが、価値はある程度安定する。神秘化は信用が過剰になり価値が極端になりやすくなる。知識を欲望についての知識、つまり欲動にする場合は単位は各人の欲望次第になるので、価値計算は不可能となる。純粋に余剰価値そのものとなり情報の形態における価値が切り下げられる。そこで人格と生命が最高の価値として出てくることになるのだ。
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