詩集「心を欲しがるブリキになる」

奏熊ととと

利益を求めた僕だから

利益を求めた僕だから


全てを言葉で押し切ってしまう


人の心も知らず


ただブリキのように


殺すことを躊躇わない



砂糖を求める蟻は今


砂糖を求めず虫を殺す


冬の備蓄を貯めるため


人のように


生きるために手段を選ばない



汚くなった僕はまた


屁理屈だらけの言葉に並べ


それを束ねて人に見せる


萎れていない花であるが


それはもしかして作られた花?



死んだ僕の友人は


汚くなることを拒み


心を持ったブリキのまま


錆びて消えた



理論を武装した僕の詩は


理にかなっていて美しく


様々な命を奪っていった



多くを殺した僕は今


悲しみに追いやられ


頭の中で死体現場



時が経ち


数年後の僕の詩は


理にかなっていなく無愛想


論理が押し付けてくるだろうが


どうでもいい人が


見つけてくれるかもしれない

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