時間

色蠟

第1話 帰り道とか。

季節的には、秋と冬の境目というか。もう少しで冬かな?って思うけど、やっぱりまだ地面には黄色とか赤とかそういう色がちらほらある、そんな季節の帰り道。

部活が終わって、5時のチャイムが鳴ったか鳴らないかくらいの時、学校から自転車でサーッと坂を下りてきて、まっすぐ行ったところにT字路があって、そこで信号を待っている。私が住んでるところはすごく田舎で、あと自転車で2、3kmはある通学路には信号はこの1つしかない。小学校に通っていた頃は通学路に信号なんか無くて、中学生になった時、信号を見たことはあったけど待つことはなかったから少し新鮮だった。

T字路の向こうには、ビニールハウスと畑が見える。そんなに遠くはないけど。もっと奥には家がたくさんあって、そのもっともっと、もーっと奥には、山がある。


そこから見える、夕焼け。雲に少し隠れている。それがとても綺麗で。信号なんか逆光で見えないし、それに見とれてしまっていたから、青になったのに気づいていなかった。

表現のしようがない、夕焼けもそうだけれど、


見とれている、時間が好き。

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