第5話 読者選考。

知っての通り、カクヨムを含む多くの小説投稿サイトにはコンテストがある。

今回は第1回カクヨムWeb小説コンテストのことを示している。

タイトルの通りに読者選考で行われる。

参加なんてしていないものの、やはりカクヨム誕生と同時に発表されたこのコンテストは、当然ながらカクヨムにおいて初のコンテストであり、そして大きな注目を集めている。

カクヨム運営側、つまり主体の角川はこのコンテストを失敗するわけにはいかない。

始まりからコケてはその行く先は想像できるからだ。

当たり前だが、期待できないものにスポンサーは金を出さない。

この資本主義社会においては、経済的合理性こそが最もポピュラーな正義なのである。


まあそれはともかく、今回のコンテストの大きな特徴。

繰り返すが読者選考である。

カクヨム、というサイト名には書く、読むという意味があるらしい。

その象徴なのか、それとも運営の怠慢か、読者によって選別されるわけだ。

これが今回のコンテストにおける特徴である。


さて、これに関してはどうしたものか。

PV、もしくは星0でも応募作品であるのだから、運営が作品を読むべきか?

読者の意見だけで、文字通りの読者選考を経て、上位だけを読むべきか。


これに関して、作者は問い掛けるすべを持たない。

これを言い出せばこの文章も無駄に変貌するのだが。

面白さ、とは人それぞれである。

このサイトの作品数を鑑みて、最大公約数を選ぶこの方法は妥当であるといえる。

だからといって、眠っている山の中から宝石を探し出す努力を放棄していいものか。


今後、応募においての条件や、選考の妥当性を論議している時間はない。

はっきり言えば、最早旬は去った。

ウェブ小説という小説の形態は、断たれるわけではないが、斜陽の時間を迎える。

それこそ、多くの人気作という意味ではない。

どこにでもある一般的な構成の小説、という方向にシフトするだけのこと。


様々な探知機が必要だ。

多くの文章を読み、常日頃から研究している人間のレーダーというものは強力な武器になりえる。

読者は常に新しい小説を求めている。

ここカクヨムではその傾向が特に強い。

新しい環境だからこそ生まれる小説。

どこかの駅が増殖していくSF小説を始めとした増殖系。

衝撃的な内容を真面目に語るギャップ性を持つインパクト系。

誰かの不満を煽る炎上系もこのカクヨムだからできることかもしれない。


そのトレンドを完全に把握し、また同じようなムーブメントを引き起こすことができるとすれば。

それは。


大分話がずれた気もするが、また戻す。

コンテストとは、審査員がいて成り立つ。

同じく選手たちがいて、観客たちがいて、運営スタッフがいて成り立つ。


観客投票は悪いことではない。

最近悪いわけではないとしか書いてないような気もするが。

文字通りネット上というステージの上で輝く小説選手たちがいるのは事実。

しかし、端でスポットライトを当ててもらえない選手がいるのも事実だ。

それを救いあげるシステムが現状足りていない。


どんなに素晴らしい小説であっても、目に留まらなければ意味がない。

星0から星100くらいまではほとんど大差がないだろう。


というか、星は絶対不変の真理として。

もとい、システム的に投稿された瞬間には0である。

新着、という流れ続ける川を眺めたところで意味などないのだ。


物差しが必要だ。

例えそれが完全に公平でないにせよ。

それで掬い上げられる宝石作品たちがあるのなら。


追記。

https://kakuyomu.jp/info/entry/2016/04/06/180000

対応された、だと……

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