Take-49 映画『ゴースト・バスターズ/アフターライフ(Ghost busters:Afterlife)』(2021)は面白かったのか?

 皆様お元気でしょーか?

 オヒサシブリでごにゃーます!


 ……の挨拶は日を改めてそこそこに緊急投稿というかたちでコレを書いております。なんせ超久しぶりの投稿なんでお見苦しい点があったらお許しを……

 ( ̄▽ ̄;)


 さて先日2/4、公開初日の初回で『ゴースト・バスターズ/アフターライフ』を観てまいりました。


 なぜに緊急投稿なのかというと、今回ヒジョーにこの映画、これまでとは少し趣き異なる特殊な感銘を受けたからなのであります。近年はもっぱらTwitterの方でも映画の感想を日々呟いてはいるのですが「コレは一言では言い表せぬぞ」と、久々にこちらに記すことに(カクヨムの使い方もちと忘れつつあるしね…)。



 さて時は遡り1985年。正月映画の目玉で「3G」と呼ばれるものがありました。『ゴジラ』『グレムリン』、そして『ゴースト・バスターズ』なのであります。




 ペイザンヌ少年はこの"幽霊退治のコメディ"に衝撃を受けました。またその世界観に惚れ込み「──映画の道へ飛び込みたい!」と、マジで人生を狂わされた(?)くらいに腹の立つ──おっともとい、思い入れのある映画といえば思い入れの方をなんとなくおわかりいただけるかと。




 その後1989年に『ゴーストバスターズ2』が公開。こちらはまあそこそこでしたが同キャスト・スタッフってことでまあヨシ。


 さらに2016年には主人公を女性に変えてリメイクされましたやね。楽しめはしたもののどうにも「コレじゃない感」半端ない映画となっており、しょぼーんと肩を落としたものであります。


 そして新作の『アフターライフ』。


 コロナで公開が先伸び先伸びになってましたが2年前くらいですかね、予告を見たときに「おや?」と感じたのよね。舞台が都会から田舎へ、オリジナル・キャストは発表されず主人公が少年少女へ……。う~む、また「コレじゃない」なのか? いや違う。




 監督はジェイソン・ライトマン。


 そう、1984年オリジナル版の監督アイヴァン・ライトマンの息子じゃあ~りませんか!(『JUNO』『マイレージ・マイライフ』などの監督さんですやね)




 そう、コレは親が作り遊んだ「おもちゃ」を息子が受け継ぎ「同じ遊び方じゃつまらない」──そう思えばこその設定変化だと感じたんですね。そこにいわば、親へのリスペクト、さらには反抗心すら燃え上がってるのを直感的にビビッと感じ取れた予告だったのよさ。



 おっと久しぶりなんで忘れるとこだった。ここから先、ネタバレを含む内容となっていきますので、「それはヤダ」って方はまわれ右、映画を観てから共有していただければよいかと。



 続けます。



 いいすか?



 言いましたからね?w





 わしゃはよく「記憶の蓋」という勝手に作った造語を用います。そしてこの「蓋」がずずずと開く瞬間がね、めっちゃ好きなのであります。


 たとえば、2年前、東京からウン十年ぶり帰ってきた長崎。子供の頃によじ登ってた水道管、ジャンプしてた塀、それらがいまだに残ってた時はそれをきっかけに今まで完全に忘れてたことが、当時の気持ちなどが、一気にぶわっと甦るわけですわ。


 本作はまずそれに似た感覚が半端なかったというか、なんかね、ただあからさまに単に「懐古厨を満足させるような作り」ではなかった気がするんすよ。その塩梅とゆーかバランスが秀逸なのね。



 最近は『マトリックス/レザレクションズ』『トップガン2/マーヴェリック』(コレは観てないですが、なんとなくあからさま系なのでは…と)など時を越えた続編が作られる傾向にありますが、あ、これ、前作オリジナルでも似たようなシーンがあったな……などあからさまに喜ばせるように作りましたよーっ、てなシーン?


まあ『ゴーストバスターズ/アフターライフ』にもあるっちゃあるんだけど、イヤミじゃないてかスッと、何気なく、それとなく、わかる人だけわかる、まさに「あれれ?『記憶の蓋』がいつの間にか開けられてるぞ」って箇所が絶妙に配置されてるんですわ。


 例えば説明やセリフではなくあの背中に背負う「ゴースト捕獲マシン」のキュイーンって起動音。アレ聞くだけで『蓋』が1㎝、でんでん太鼓みたいなゴースト探知機なんかでまた1㎝開く。


 また、秘密の地下室に下りる際に"消防署にあるようなポール"を使って下りるシーンも「あれあれ? どっかで見たことあるぞ」とぼんやりした記憶が揺さぶられ、そこでまたズズズと1㎝開く。


 はたまた、有名なレイ・パーカーJr.のテーマ曲ありますがむしろ「それじゃなく」(もし、それだったら「あからさま」っぽく感じたと思う)オリジナル版の背後で使われてたBGMで『蓋』がまた1㎝。


 さらには、主人公フィービーが警察に捕まったシーンでさりげなく使われる台詞「Who you gonna call?(誰に電話する?)」(これこそレイ・パーカーJr.のあの歌の歌詞ですやねw 当時はどこ行ってもアホなくらいコレばっかり流れてました)。英語なんてわからなくてもこの言葉の響き、語感で『蓋』がまた1㎝……と開くんですわ。


 この「徐々に、ゆっくりと開いていく過程」があり、よくやく後半、


「あーっ、この台詞、懐っ!」


「ゴーストが残していく鼻水みたいなの懐っ!」


「あーっ! パンクスタイルの破壊神ゴーザやんけ、懐っ!(なんと演じてるのは最近では監督も頑張ってますやね、オリヴィア・ワイルド。全然気付かなかった…)」


「あーっ、この鍵の神と門の神が雷に打たれて『ブタイヌ』に変わるシーン全く構図が一緒やん!」と、もう遠慮なくセルフパロディがバンバン、オンパレードでくるんですわw



 この後半のね~

「む、ひょっとして……アレくるんちゃう?」と思った直後に、


「お客様、こちらが欲しいのでございますね?」「な、なんでわかったん!」


 ──という、フランス料理専門店の名オーナーも真っ青なほど絶妙なタイミングでね、目の前に出されるのさ。これがマジで凄いのよw


 例えて言うなら女性がよく思ってるらしい言葉でありますやん?「言わなくても『察して』」ってアレ。あの意味がね──ああ、アレってつまりこういうことなのか!──と完全理解できるほどw


 これが何を意味するかというと「作り手と観客」の思考がね、完全に溶け合ってひとつになってんのね。まあ個人差はあるのかもしれませんが。


 ココ。


 ココなんすよ、全国の女子高生の皆さん。


 ココが特筆すべきこととゆーか近年の映画の中で「ここまで一体感を感じ得る映画がはたしてあっただろーか?」くらい見事なの。


 ね、Twitterじゃ文字数足んないんすよw


 極めつけはやっぱ、オリキャラの元祖ゴーストバスターズ4人(+あの受付嬢のアニー・ポッツ)ですが、ぶっちゃけカメオ出演くらいはあるんだろうな~と予測はしてましたけどね。まあ、途中ダン・エイクロイドが出た時も鳥肌もんでしたが、それくらいは予測の範囲内。


 が……まさかの……


 着ます。


 着るのです。


 あのコスチュームを。


 あの4人が!


 いや~『スパイダーマン/ノー・ウェイ・ホーム』で、別バースのオールスパイダーマンが揃った時もそれはそれは衝撃でしたが、個猫的にその衝撃すら遥かに越えてしまったというか(コレはもう……さすがにいいよね、ネタバレしても)。


元祖バスターズたちは解散したのか? その後どんな人生を送ってきたのか? その辺りもちゃんと説明してくれます。



 ん……4人?



 そう、気付いた方もおられましょうが元祖バスターズの1人、イゴン・スペングラー博士を演じたハロルド・ライミスは既にお亡くなりになってます。生の本人ではないのがとても残念ではありますが……



 そもそも今回の主人公の一家はそのスペングラー博士の娘、そして孫という設定なんすよね。この主人公の女の子もとても好感がもてましたね。わしゃ的には『グーニーズ』またはあの『スタンド・バイ・ミー』ですら子役の演技がわちゃわちゃというか、ちと大袈裟に見えたりするんですが、本作の少年たちはなかなか抑え気味でよいです。今回コメディ・リリーフ的な存在の少年ですら、まるで少年版ダン・エイクロイドのように、クスッと笑えるくらいの抑え方をしてましたな。


 そんな設定も亡くなったハロルド・ライミスに向けたスタッフの想いがしっかり見えます。てか、作品全体からめっちゃこのオリジナルに対する愛情が伝わってくんのよ。



 そこで、また有名フランス料理店名オーナーの出番ですよ。こちらが


「あ~、やっぱ、最後には"ハロルド・ライミスに捧ぐ──"って欲しいよな……」


 と、思うと、


「こちらでございますね、お客様」


と、ちゃんと出してくるw



「う~ん、なんだかんだでやっぱ最後くらいはレイ・パーカーJr.のあの歌で〆たいよね……」


 と、思えば、


「ご用意しております、お客様」

 などw


 そしてエンドクレジットの途中で99人いたら99人が必ず思うであろう、キャストの紹介の最中。


──with シガニー・ウィーバー


( ; ゜Д゜)

「え? え? ちょ、マジで? どっかで出てたっけ? カメオ出演か? どっひゃー気が付かなかったよーい!」

「いえ、出ておりません。これから登場なのでございます、お客様」


 と、最後の最後までサプライズ。


「て、ことは、まさかリック・モラニスも……?」

「……………………」

「?」

「う…………申し訳ございません。そちらは、ご用意できませんでした。お客様……ぐぐ」

「あ、やっぱあんたにもできないことはあるのねw むしろホッとしたよ」

( ̄▽ ̄;)


 というわけで今夜は現在金曜ロードショーで『ゴースト・バスターズ』放映(2/4)なのですが、観られた方もきっと多いことでしょう。


 復習してぜひとも劇場へ。特に「1984年版を劇場で体感した方」などには絶対的に観ていただきたい一本!


 『ゴースト・バスターズ2』からなんと32年ぶりの続編。まさに『ゴースト・バスターズ3/完結編』としてもいいほど。


 この32年の間にあなたの人生はどう変わりましたか?──的なこともありましたので、最後の最後まで席を立たぬようお気をつけをw


『スパイダーマン/ノー・ウェイ・ホーム』のキャッチコピーは


「想像しろ。越えてやる──」


でしたが(このキャッチ、めっちゃいいよな……)


 本作『ゴースト・バスターズ/アフターライフ』のキャッチコピーを勝手に作るとすると


「求めよ。さらば思ってる以上に与えられん」


 てとこですなw


 今回はこんなところで!


 では、また!

 ( ̄▽ ̄)ノ


【追記】2/14

 本日2/14にアイヴァン・ライトマン監督が死去されましたね。まさか公開から10日後に御自身『アフターライフ』へ逝かれるとは……

 (´;ω;`)

『デーヴ』をはじめ、『ツインズ』『キンダーガートン・コップ』『エヴォリューション』『Gガール/破壊的な彼女』といった思い出深いライトコメディの帝王。本当にありがとうございました!

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