Take‐22 映画『人生スイッチ(Relatos salvajes)』(2014)は面白かったのか?
私のねぐらの真下にある飲み屋でロシアフェアが始まったので行ってみた。
今回頂いたのは“プロフ”とゆー煮込みご飯。おかゆまでいかぬくらいに米を煮込み、羊の肉、さらにこれまたとろけるほど煮込んだニンニクを潰しながら食う。
うまい。
私は普通にチャーハン系が好きなのでこれはかなり満足満足( ̄ー ̄)
場所によりけりかもしれないけど、地元九州ではチャーハンより“焼き飯”という言い方の方がメジャーだった気がしないでもない。
言い方の違いと思うだろうが、同じものを食っていても、
“今、ボクはチャーハンを食っている”
と思って食うのと、
“今、おいは焼き飯ば食っとる”
と思って食うのとには実は天と地ほどに違いがあるとこの頃気付いた(笑)
で、本題(本題?)。 このチャー…… いや、焼き飯を食っているといっつも思うんですが、最後らへんになってあとひと口で完食って場面があるじゃないですか?
その最後に残ったひと口分の量って、
もーーーーー、
イッライラするほどスプーン(もしくはれんげ)に乗らなくありません?
『そんくらい残せばいーだろ』
(-_-;)
と、思う方もいるかもしれんが、ことチャー、…いや、焼き飯に関しては残すことなど言語道断! 最後のひと口まで“気持ち良く完食したいわけなのよのさ。
それが、
カスカス(スプーンの音)スカッ。
カスカス(スプーンの音)ポロッ。
……
あ゛ーーーーーー
(#`皿´)
イライライライライライライライライラ。
はい、この辺で『人生スイッチ』ON。
いいよ。オレの人生なんてしょせん中途半端だよ! 心はいつも半開きだよ! 伝える言葉が残されるさ!
あーあーあぁ、
あーあーあぁ、
あーああああぁー、
の~こ~される~
いや、残したくないし!
人生はともかく、チャーハンくらい最後まで諦めずに食ったっていいだろ。
これを改善するために出来ることはナニカ?
つまり、まん丸の皿でなく皿の一部分、そう、一部分でいいからアルファベットの“C”の文字のような突起がありゃいーんじゃん?
説明するとまず、チャーハンの最後のひと口分をスプーンでズルズルズルと皿の端っこまで押し寄せていくでしょ?
普通の皿だったらそのまま押し寄せると皿の外まで落ちるわけやね。
でも、そこから宙返りジェットコースターの様に“C”の形に皿がなってれば?
そのまんまズルズルズルとチャーハンを押してゆく。
“C”の形になってるからチャーハンは上の方に押し上げられてゆく。
やがて引力の法則により最後のひと口のチャーハンは“ポトリ”とそのままスプーンに乗る
=美しい完食。
ヽ(´ー`)ノ
タータラッタッター
ヽ(´ー`)ノ
テーテレッテテレー
ヽ(´ー`)ノ
これだ。
この皿だよ。
これから中華屋、ましてやチャーハン専門店などあろうものなら、必ずこの皿を導入することを国はまず義務づけるべきだと思う。
てなわけで映画『人生スイッチ』を観た。
スペインとアルゼンチンの共同製作映画である。レンタル屋でも順新作コーナー辺りにまだ並んでいて見かける方も多いと思う。
この“スイッチ”とはなんぞや?
先ほどの文章の中で私が『スイッチ』を押した瞬間、お気付きになられましたでしょうか?
そう『イライラ』の臨界点であります。
まあ、もちろんチャーハンごときでスイッチが押される方などそうそうはいないわけですが、積もり積もった怒りが爆発する瞬間というのはこのように些細なことがきっかけになるかもしれないということ。
そして一度押されてしまったそのスイッチはもとに戻ることなく核弾頭のようにとんでもない事態へと繋がっていくこともあるのだぞ、とそんなストーリーを六本のブラックコメディ・オムニバスにしたのが本作『人生スイッチ』であります。
以前、『運命のボタン(2009)』という映画がありました。小さな箱に取り付けられてあるボタンを押すと見知らぬ他人が誰か一人死ぬ。だが、その代わりに大金がもらえるというストーリーでしたが、てっきりこの映画もそんな感じで、さまさまな人たちの運命が交差して最後には繋がっていく……みたいな展開かと思ってたんですが、まさか短編集だったとは。
『しかえし』
『おもてなし』
『パンク』
『ヒーローになるために』
『愚息』
『HAPPY WEDDING』
と、サブタイトルが付けられた『トワイライトゾーン』や『ヒッチコック劇場』を彷彿させる短くてキレの良い作品の詰め合わせ。
それぞれのエピソードの主人公がじわじわ追い詰められていき、果たして何処に辿り着くのか……? というストーリーは短編なんかを書く時の参考にもなりますね。
私、井上夢人の短編集とかも結構好きなので非常に楽しめましたね。この中では『パンク』が一番面白かったかな。半端ない“ブチ切れ”の果てに……って感じです。
日本でもバブル末期辺り、最後の最後におとなしめの主人公が「バカヤローっ!!」と叫ぶまでの短編オムニバス映画、タイトルもそのまま『バカヤロー! 私、怒ってます(1988~1991)』ってのが4作ほどつくられましたが、あの“10辛”といったところでしょうかね?
原題は『野生の物語』『けだものの話』といった意味らしいです。タイトルバックで野生の動物たちが映し出されますが、映画の途中辺りになってくるとまさに人間が都会というサバンナの中で牙を剥いている獣のように見えてきましたです。
【本作からの枝分かれ映画、勝手に三選】
★『世にも怪奇な物語』(1968)
……第1話「黒馬の哭く館」は主演ジェーン・フォンダ、そして実弟である「イージー・ライダー」のピーター・フォンダ。第2話「影を殺した男」はルイ・マル監督、アラン・ドロン、ブリジット・バルドー。第3話「悪魔の首飾り」をフェリーニが監督し、主演がテレンス・スタンプ。
全てポーを原作とした三部作構成のオムニバス。怖さ的には今見るとたいしたことはないのですがエドガー・アラン・ポーの世界観を名匠と名優がつくりだしたという点においては価値ある一本かも。私も未見でしたが思わずYouTubeでたった今観ちゃいました(笑)
★『トワイライト・ゾーン超次元の体験』(1983)
……プロローグ 『REALLY SCARY』から第1話「偏見の恐怖」 (『TIME OUT』)ジョン・ランディス監督。第2話 「真夜中の遊戯」(『KICK THE CAN』)スティーブン・スピルバーグ監督。
第3話 「こどもの世界」(『IT'S A GOOD LIFE』)ジョー・ダンテ監督。第4話 「2万フィートの戦慄」(『NIGHTMARE AT 20,000 FEET』)ジョージ・ミラー監督した一編。そしてエピローグへと繋がる。ナレーションは『ロッキー』のトレーナー役、バージェスメレディスだったのね、知らなかったす。
★『クリープショー』(1982)
……プロローグ~第1話『父の日』、第2話『ジョディ・ベリルの孤独な死』、第3話『押し寄せる波』、第4話『箱』、第5話『奴らは群がり寄ってくる』~エピローグ。『ゾンビ』のロメロ監督のホラー・オムニバス。3話、プロローグとエピローグの雰囲気が何気に一番怖かった記憶がありますね。今見ると全体的にチャチな感じもします。が……伝説的になってます“5話”だけはある意味別格。もう二度と見たくないですね。まあ、おそらくあんなのが作られることはもうないと思うので、見ておくべきかも……? 『テラフォーマーズ』なんぼのもんじゃいと言わんばかり、モノホンのGたちの群れに襲われるのを見てみたいという特異体質の人以外は絶対にやめておいた方がよいと思われます……。
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