第2話 面白さの指標
ランキングについて語るうえで「面白さの指標」が何たるかは、避けては通れないテーマにございます。
と言いますのも、星の数ほどある作品をランキングという形式で格付けする以上、そこには必ず、「面白さ」を何らかの計算式で表す必要があるからでございます。
例えば「小説家になろう」というサイトでは、その計算式を以下のように定めております。
評価ポイント=ブックマーク数×2+(文章評価点+ストーリー評価点)
ここでいうブックマークとは、カクヨムにおける「フォロー」のようなものです。
これは、読者が「続きを読みたい」と感じた際に、一旦キープする目的で用いられます。そのため、読者にとっての「面白さの期待値」を示す指標として、ある程度有効なものだと私は考えております。
また、評価点とはカクヨムにおける「☆」のようなものでございます。文字通り、ストーリーを読んだうえで、読者がその作品の内容について評価するために付ける点数です。
しかしながら、上記の評価システムには大きな問題点がございます。
それは、「アクセス数の多い作品が圧倒的に有利になる」という事です。
例えばの話ですが、「五人読めば同じように一人が評価してくれる面白さ」を持つ作品が二つあったとします。また、片方はメジャーなテーマを。もう片方はマイナーなテーマを取り扱っていたと仮定いたします。
この時、メジャー作品の方には500人が訪れ、マイナー作品の方には5人が訪れました。
すると、同じような面白さを持つ作品であっても、前者と後者の評価点の間には、ゆうに100倍もの差が生じてしまうのでございます。
もちろん、「面白さ」というものは主観的な代物でございますから、実際には、こんな単純なものではございません。
しかし、これによって「小説家になろう」というサイトでは、メジャージャンルの作品と、そうでない作品との間で、凄まじい格差が生じてしまっているというカラクリが、ご理解いただけたかと存じます。
それでは、カクヨムのランキングシステムではどのようになっているのでしょうか。
調査のため、任意のジャンルにおいて(今回はファンタジー)過去一週間以内に新規投稿された作品を抽出し、データを整理しました。
全部掲載するととてつもない量になるので、意味のある一部のデータだけ抜粋して掲載いたします。それがこちら ↓
ランキング 週間総合評価 第一話総合PV(週間)
58 9 17
60 13 38
86 9 5
90 12 64
このように、第一話総合PV(来訪者の大まかな数)も総合評価点(読者からいただいた☆の数)も上回っている作品が、両方とも下回っている作品より、下のランキングにいる場合がございます。(もちろん、これは一部の稀な例ですが)
従って、必ずしも「週間総合評価が高い作品」がランキング上位に来るわけではないということがわかると思います。
つまり、テーマやジャンルがマイナーであったり、非テンプレを扱っていて、多くの読者に恵まれなくとも、流行もので大量の読者がいる作品に勝つチャンスは、十分あると考えられるのでございます。
さて、それでは、カクヨムでは一体何を「面白さの基準」として採用しているのでしょうか。
上記の例のように、PV数も評価点も劣る作品が、両方とも上回っている作品より高い順位にいるということは、「何かが勝っている」からでございます。
その「何か」とは一体何でございましょうか。
以下に、「面白さの基準」を示すうえで有効と考えられる候補を、いくつか挙げてみたいと思います。(週間総合評価点については、先程取り扱ったので一旦除外します)
①評価の平均点
⇒作品の質を見る上で有効です。ただ、読者ごとに点数の基準が異なるのが短所です。
②評価人数
⇒個人的には、これがかなり近いんじゃないかと感じております。
③読破人数
⇒判別は困難ですが、どれだけ読者を引き込んだかを示すことができるので、割と有効ではないかと思います。
④熟読PV+☆
⇒とあるエッセイにて提唱された仮説です。
⑤評価人数 / 第一話PV
⇒来訪者数に対して、どれだけの読者に評価していただけたかを表します。個人的に推しております。
⑥評価点 / 第一話PV
⇒来訪者数に対して、どれだけ評価していただけたかを表します。
⑦読破率
⇒来訪者数に対して、どれだけの読者が作品から離れずに残ったかを示します。
⑧関数(読破PV , 文字数) 例:読破PV×(文字数+補正)
⇒短編有利、少ない文字数が有利との噂から、私が独自?に考えてみました。式が穴だらけなので、今後じっくりと詰めていきたいと思います。
⑨(フォロー数)
⇒指標としては有効ですが、運営様が公式でランキングに関係ないと発言されていたので、今回は除外いたします。
⑩他
⇒まだまだ沢山あるとは思いますが、全部挙げるとキリがないので、今回はここまでとします。
以降の話で、詳しく分析していきたいと思います。
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