Outer World High School

濃厚カクテル

第1話 博士の陰謀

日本の生家町、ここは様々な人が暮らす地方都市だ。その中に一人の少年の姿があった。

『よし、材料はこれで全部だな。』少年は一息つき、家がある方へ向かって歩き出す。

 

 彼の名は橘レオル。現在15歳でこの前中学校を卒業した。

春からは高校生であるが、わけあって高校には通えない。何故ならば卒業直前で両親を事故で亡くしているからだ。

彼の両親は家族の反対を押し通し、駆け落ち同然で結婚したため親族一同から嫌われており、彼を引き取ってくれる人はいなかった。しかし、彼の母親の知り合いの桜井エミリ博士が彼を引き取る事になったのである。

少々変人ではあるものの、彼のの第2の母親として共にあろうとしている。


 レオルは急ぎ足で家へと向かう。

 現代おいて技術はは様々な進歩を遂げ大きく発展した。

いたる所にに高層ビルが連なり、通りにはタイヤのない車などが走っている。

宇宙までものの数時間でいける軌道エレベーターが建設され誰でも宇宙旅行が出来る時代になった。

しかしながら、こんな発展した現代にも剣術道場や大型スーパーなどは未だに存在している。

郊外に出れば道に迷う人だって出てくる。

 その中でもレオルの家兼博士の研究室は、入り組んだ道を奥に進んだ路地裏にある。

レオルが家に着き、階段を下りてドアを開けるとなにやら博士が複雑そうな機械を作っていた。

「ただいま」

レオルが博士に聞こえるよう言った。すると、

「あ!おかえりレオル!」

すごく嬉しそうな表情で博士がレオルに抱きついてきた。

いきなりのことでレオルが反射的に博士の抱きつきを回避した。

「びっくりするからそれやめてって言ってるでしょ!」

レオルは冷や汗をかき裏返った声で言った。

「う~、むぅ~、レオルのケチ!」

博士が不満そうな、それでいて少し寂しそうな顔でこちらを見た。

言いようも無い罪悪感にかれれたレオルはため息をつき、

はい。と両手を広げ「少しだけならいいですよ」と恥ずかしながら言うとその瞬間、目にも留まらぬ速さで博士が抱きついてきた。

博士の豊満な胸が彼の胸板にあたり、その形を大きく変え、服ごしであろうと彼女の豊満なバストをレオルに伝える。

また彼女の体は柔らかく、強く抱きしめたら壊れてしまいそうな儚さがあった。

それに加え、博士からは甘く心地よい香りがして、レオルの判断力を鈍らせていき、意識が危うくなる。

彼も健全な男の子だ。意識するなというのは酷な事だ。気になって仕方が無い。

いろいろな意味で限界を迎えそうなレオルであった。


____________________



そして10分後。

「うーん気持ちよかった。ありがとね!」

ようやく満足したのか博士は離れた。

危うくいきそうになった気持ちを切り替え、でも少し名残惜しいような気もするが、それよりも気になっていたことがあり

「きょ、今日は何作ってたのですか?」

先程まで博士がいじっていた謎の機械を指差しながら言った。

「あれは次元間を転移して他宇宙にいけるマシーンだよ」

博士が自慢げに胸を張っていう。大きい(確信)

しかし、レオルには博士の言っていることが全くもって理解できない。

「他宇宙?次元間の転移?博士、一体どういうことですか?」

「ふっふーん!まぁ簡単に言うとだね、異世界にいけるって事だよ!」

「すいません博士ぜんぜん分からないです。」

「んー...だったら魔法が存在している世界に行けるって思ってくれればいいや」

「というと、地球上ではないまた違った場所ということですか?」

「そうそう!そういう感じ!」

「それってすごいじゃないですか!?本当に別の世界にいけるなら世紀の大発見ってレベルじゃないですよ!それに加えてこれを発表したらいろんな賞とかをもらえますよ!」

レオルがそう言ったとたん、急に博士が顔を近づけて

「これは私の計画に使うために作ったもの。だから他人には公開しないし賞をとる気もないよ。」

「えっ?じゃあ何でこれを...?」

「そんなの決まっているじゃないか!私の大好きなレオルに高校生活をおくらせるって言う計画だよ!」

そういった博士はレオルが今までに見てきた中でとびっきりに輝いていた笑顔だった。

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