4月10日(木)
今日も、彼に会えることを信じて、いつもの午前7時27分発、各駅停車八神行きの電車に乗る。もちろん、先頭車両の一番後ろ。
鳴瀬駅に到着するといつもの場所に彼が立っていた。
昨日のことが気まずくて会えないかもって思っていたから、彼の姿を見ただけで安心する。
彼が電車に乗るとき、彼と目が合った。
その瞬間にドキッとして、全身が温かくなって。昨日のことを思い出して恥ずかしくなっちゃう。それでも、彼と一緒に電車に乗ることのできる嬉しさの方が勝って、ここにいることができている。
彼は私の左隣に立った。
昨日のことを謝ろうか。
それとも、別のことで何かを話してみようか。
色々な考えが頭の中で駆け巡ったけれど、話したら変な空気になっちゃうかもしれないという結論に至って、今日は結局彼と話すことができなかった。
何度か、彼が私の方を見たような気がするけれど、彼も同じようなことを考えてくれているのかな。
ただ、唯一の救いは、私の隣から彼が一度も離れなかったことなのであった。
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