71日目 再開 と聞くとやっぱりあいつ?

 ちょっと死んでみようかなぁ。

 いやいや、駄目だよ。


 昨日帰り際メモを貰ったけど、ロシア語で書いてあった。とりあえず手帳に写してみた。

 うわっ、きったない字。そういうところも映されるのかよ。


 なになに? 「お前が今戦っている敵は、ドイツ軍で此処はスターリングラード」だって?

 わかってスッキリしたものの、意味ないよね?


 包囲してる方は落ち着いてる。外も落ち着いてきたかな。

 面白くない。

 まぁ、そっちの方がいいけどね。


 他にも手帳には映された。「周りのソ連兵のほとんどが、元は農民だから話が合うかもしれんぞ」

 いや、喋れないし。あんたが言ったろ。



 今日は部隊が前線に行く事になった。全く。車とか無いのか? ずっと歩いてるぞ。


 そんなふうに嘆きながらしばらく歩いた。さっきから落ち着いてきたって言ったけど最盛期に比べてだ。だから、今もカチューシャは元気に敵を薙ぎ倒してる。



 建物についた。元いた部隊と合流したみたい。なんだか見たことあるような奴等がちらほらと。


「久しぶりじゃないか!」

 あ、聞き取れた。あ、彼だ。

「よく生きてたな! どうやって生き残った?」


 俺って、そういえばだけど3ヶ月近くマトモに

 喋ってないような。ていうか、ロシア語なんて喋れないし。


 まぁ、再会してよかった。

 とまぁこんな感じで、よく打ち切りになった漫画みたいな『俺達の戦いはこれからも続くぜ』

 って感覚になった。なんでだろ。


 いや、まだ俺は帰れないのかな?

 今日はこれ以外は特になし。ふざけんな。

 あーもう、いろいろあり過ぎ。今日は再会しただけだけど。限界だ。心の中だけで発狂状態。駄目だよ。


 カチューシャは 今日も元気に 敵を薙ぐ

 だけど俺は 限界寸前

 作 俺氏


 いい詩が出来たなぁ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る