第167回『ツナ缶』→落選

『恋は渚のシーキチン、恋は渚のシーキチン、恋は渚のシーキチン……』


「ちょ、ちょっと待った。何だ? 今の歌詞は!?」

「赤白対決歌勝負に出演するAKU47の『恋は渚のシーキチン』ですが、それが何か?」

「まずいぞ、これは。事前にちゃんとチェックしたのか?」

「しましたとも。それで問題なしと判断しての起用です」

「いやいや、問題大アリだろうが!」

「問題? ははぁ、もしかして『シーキチン』のところですか? その部分を一般的な名称に差し替えろと?」

「いや、そこじゃない」

「でも問題はないのです。この部分、登録商標の『シー(ピー)』のようですが、よく聞くと『シーキチン』なんですよ」

「違う、そういうことを言ってるんじゃない」

「登録商標のように聞こえて実はそうじゃない。『テトラポット』の件と同様に問題なしと判断いたしました。えっ、そのことじゃない?」

「だから、さっきからそう言ってるじゃないか」

「とおっしゃいますと?」

「『恋』のところを『こーい』と伸ばしたらダメだろ? さらに十回も続く繰り返しはマズい」

「えっ、あっ……、ああっ、確かに。申し訳ありません、一般的な名称に差し替えるように要請します」

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