第98回『エジプト土産』→落選
遺跡発掘のアルバイトで、一ヶ月間エジプトに行っていた妻からメールが届いた。
『無事日本に到着! お土産を用意しているから今晩は早く帰って来てね』
仕事が終わって自宅に着くと、なんだか薄暗い。妻が待っているはずでは? と不思議に思いながらリビングに入ると――突然の照明と共に、アラブ調のリズミカルな曲が流れてきた。そして、ビキニトップと深くスリットの入ったスカートに身を包んだ妻がなまめかしく腰を揺らしながら登場。
「ベリーダンスか?」
「ラクス・シャルキーって言うのよ、向こうでは」
踊りながら妻が体を寄せてくる。さすがは本場仕込。腰使いも上手いし、何よりくびれがセクシーだ。
「それで土産ってなんだ? そのセクシーな衣装? 今かかってる音楽? それとも俺にダンスを教えてくれるってか?」
「何馬鹿なこと言ってんのよ。あたしよ、あ・た・し」
激しくなるリズムに合わせて妻が腰を振ると、スリットからスカートの中がチラチラと見える。どうやら中は何も着けていないようだ。
「「お帰り」」
俺と妻は熱いキスを交わすと、そのまま二人でベッドに倒れこんだ。
十ヵ月後、妻にそっくりな第一子が生まれた。彫が深くて俺よりハンサムな男の子だった。
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