失恋したら日常生活がギャルゲーになったんだが
繰咲絢
プロローグ
俺は、高校一年の
中学当時の俺はバレー部に所属していて、いつもいつも先輩からのパシリと球拾いで、俺は本当に部活をやりたくないと思っていた。
俺がバレー部に入ったのは、部活に入らないと高校に入試する際、不利になるといわれ適当に入ったのだ。
だから俺が試合に出れないで、球拾いをしていることに悔しさなんてない。
しかし俺はバレーのおかげで生まれて初めて恋をした。
恋をした理由はいたってシンプルである。
それはとある中学校に練習試合をしに行った時のことだ。
練習試合にいくと大体が隣のコートで女子もバレーの練習試合をしている。
バレー部に入ったのは高校のためなんだ。と心の中で思ったときにボールが隣のコートにいってしまった。
俺はそれを取りにいこうとするとそのボールに気がついた少女はすぐに拾ってくれた。
目が大きく華奢な手をした美少女でありその子は先輩たちが可愛いと言っていた人だ。
俺は右手を大きく上げて、サインを出した。
少女はすぐに俺に気がつき、走って俺にボールを渡してくれた。
「はいっ!これ!頑張ってくださいね」
少女はそう言うとすぐに練習に戻った。
そのとき俺はただ固まって顔が真っ赤になっただけだった。
今思えば童貞乙という感じしかないな。
その子の名前が気になった俺は、部活が終わった後、体育館の外にある木の近くで少女が出てくるのを待っていた。
今思えばストーカーとやってることは変わらないんだよな。
サーッ。と木々が風に吹かれた音がしたと同時に少女が体育館から出てきた。
俺は少しためらいながらも、少女のところへと向かった。
少女の前まで来た後すぐに深呼吸をした。
「名前聞いてもいいですか?」
少女は少し戸惑いながらもにっこりときれいな歯を見せて微笑んだ。
「藤雅美樹(とうがみき)です。藤薬品の藤に優雅の雅に美しいの美に樹木の樹で藤雅美樹です!」
「竜宮絢介でっすっ。よろしくっす、俺のメアドなんだがもしよかったらよろしく!」
途中呂律が回っていなかったがメアドを渡すことができたので気にしていなかった。
このメアドの書いてある紙というのが、チームメイトの一人に渡す予定だった物なんて誰にもいえない。
それよりも声をかける恥ずかしさに押しつぶされそうになったためすぐにこの場から離れようとした。
「それじゃあ迎えがいるから!」
俺は頭を下げて、すぐに家に向かって走った。
当然のことながら迎えなんてきていなかった。
走っている途中で少女のことを思い出しては顔を横に振った。
家に帰ると女の子の履く赤色の靴が一足玄関にある。
まあこれは妹の物だが。
「ただいま!」
すぐに靴を脱ぎシャワーを浴びに行った。
美樹の事を思い出しながらもいつも愛用しているシャンプーを二倍以上も使った。
それほど俺は好きだったのかもしれない。
風呂場からでて携帯を確認するとmiki1027@xxxx.co.jp.からメールが来ていた。
”こんにちわっ藤雅美樹です。しゅんすけよろしくねっ!”
俺は送ろうとしては文章を消すという作業を何度も繰り返しながらやっとの思いで無難な文章を打つことができた。
”よろしく!美樹って呼ぶね!”
自分の送った文章に俺は満足したらしく、鼻唄を歌いながら自分の部屋に向かった。
するとブリーチをしてなどいない綺麗な金色の髪をした少女が何処からか現れた。
「何歌ってるの。お兄ちゃん気持ち悪っ!吐き気がするんですけど!」
少女は俺を軽蔑したような目で見ながら言った。
「まぁおまえには言えない秘密があるんだ!しっしっ」
「もうお兄ちゃんなんて知らないからね!」
さっきから、やたらとうるさい奴は、俺の妹の
俺は、妹が好きなシスコンであるため流石にこのままではまずいと思い、ある作戦に出た。
その作戦とはykm作戦。
それはただ単に妹の好きな雪見大福を使って機嫌をとるということなのだが。
「ごめんな犁兎今度おまえの好きな雪見大福買ってやるから許してくれ!」
作戦が成功したのか犁兎はにやにやしながら俺に近づいてきた。
「五個だったら許してやろう!」
俺は本当に単純な奴だと思いながら嘲笑うようにニヤニヤした。
「わかったからそのかわり許してくれよ。」
犁兎はこぶしを上にあげ出発進行のポーズをとった。
「今から買いにいこー!」
こいつはおれの1つ年下で小6だ性格は少し悪いが俺と犁兎は結構昔から仲が良い。
まあここらへんで妹の紹介はやめておこう。
俺はすぐに着替えをすまして妹の待ってる外へ向かった。
「おそーーい大福もう1つプラスね?」
「仕方ねえな6個だけだぞ!」
俺は駄目だと言おうとしたが、妹の頼みを断るわけにはいかないため仕方なく言った。
「うん。ありがと、お兄ちゃん」
犁兎は可愛らしい八重歯をこぼれるように見せながら笑った。
俺はそれを見て、妹が犁兎でよかったと思った。
コンビニに着くと犁兎はすぐに大福のチョコ味、バニラ味、キャラメル味を二つずつ俺に渡してきた。
俺は、喜んでいる犁兎を見るととても嬉しかった。
さっきまであんなにツンツンしていたのにいきなり変わったからな。
買って会計をすませて雪見大福の入った袋を犁兎に渡すと犁兎は走って家に向かおうとした。
「先に帰って待ってるね、お・に・い・ちゃ・ん」
何なんだあいつ、買ってもらってすぐ帰るってどういう事だ。と考えながらも喜びながら帰った。
帰り道に近くの喫茶店の前を通ると私服姿の美樹が立っていた。
美樹は俺のことに気がついたのかこちらを見てきた。
二人は声を合わせて同時にお互いの名前を言い合った。
「美樹…?」
「絢介…?」
俺は顔赤くなりながらもこれがチャンスだと感じてご飯を誘うことにした。
「今暇なら、ここの喫茶店でご飯でもどうかな?」
いくらなんでも会った日にデートに誘うなんてナンパ師しかいないよな。
ああ。今思えば一目ぼれと中学生の行動力ってのは怖いわ。
その後二人で喫茶店に入りバレーの話で盛り上がり良い感じのムードになった。
「絢介は好きな子とかいないの?」
「あ。それは、、、。」
「今日会ったばかりなのに馴れ慣れしくてごめんね。」
きまずい状況が何分も続き、俺は無意識のうちに告白をしそうになっていた。
「美樹、もし良かったら俺と付き合ってくれないかな。美樹といると本当に幸せを感じるんだよね」
今日会ったばかりなのに俺は何を言ってるの?
絶対noに決まってるじゃないか。
だが俺が思った反応とは全然違っていた。
「え?私なんかで良いの?」
美樹は人差し指で自分を指しながら聞いてきた。
「いや!友達からでもなんでもいいんで!!」
「私なんかでよければ宜しくね」
そう俺はこのとき人生初の告白が成功したのであった。
ここから幸せな人生が送れると思っていた。
「ありがとう。これからよろしく!」
今思えば会えたばかりで性格もよくわからないのに告白する時点で間違っていたんだな。
その後店に出るとあたりは暗くなっており街の街灯が宝石のように輝いていた。
「家まで送っていくよ?」
「もう暗いし悪いから大丈夫だよ!」
「じゃあ気をつけて帰ってね」
そういうと美樹は手を振りながら歩き出した。
俺は美樹の姿が見えなくなるまで手を振り続けた。
家に帰っている最中いつもよりも世界がきれいに見えた。
家に着きもう眠かったので風呂に入らず自分の部屋に行った。
汚い?
一応その日はシャワー浴びてるからぎりぎりセーフだろ。
リビングに入ると犁兎が右手に雪見大福を持ちながらソファーで寝ている姿が見えた。
近づいてみるとズボンが少し脱げていてそこからパンツがはみ出していた。
「おい、起きろよ」
「お兄ちゃんに大福食べさせるために待ってたんだよぉ」
犁兎は目を左手でこすりながら雪見大福を俺にさしだした。
俺は大福を口に加えて犁兎を背中に乗せ犁兎の部屋につれていった。
部屋の中はクマのぬいぐるみやウサギのぬいぐるみ等が置いてありとても可愛らしく女の子らしい部屋だった。
ベッドに犁兎を乗せ、電気を消した後自分の部屋に戻った。
携帯を見ると美樹からメールが来ていた。
”今日はありがとう。これからも宜しくね。”
俺はすぐに文章を打ちメールを返した。
”よろしく。好きだよ”
俺がそう送りベッドの中に入ろうとしたとき返信が来ていた。
”私も好きだよ!おやすみ”
はじめての家族以外の好きと言う言葉に動揺を隠せなかった。
すぐにおやすみと返して睡眠についた。
「俺さ、すごい可愛い彼女できたんだ。」
彼女ができたことを小1からの友達に話す。
「おお!おまえにも彼女ができたのか。俺はどうでもいいけど犁兎ちゃんが良い!」
俺の妹押しであるこいつは
魔琴とは昔からの友達で今ではかなり親しい仲である。
そんな親友に俺は自分の恋愛の事について話した。
その後二人で恋についての話で盛り上がった。
俺は美樹と付き合ってから何をするのも良くできていた。
テストでは10位の間をさまよっている。
部活ではスタメンをとり最優秀選手となった。
そしていつのまにか俺は高校生に、そしてこの間の2年間は特に会える事もなかったのだが始めての好きな人でとても可愛かったので、俺は高校一年になってからもずっと一緒にいたいと思っていた。
高校一年になって部活には入らなかった。
夏休みが過ぎ冬休みも終わり俺はその頃美樹の事を付き合った時より好きになっていた。
すべてが始まる季節のスタート春休みを迎えようとしていた。
そんな美樹のことが大好きな俺も今日で...。
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