勝手に作詞してみた

飛竜

戦地のクリスマスに雪が降る

飛ぶなまりが人をいて

うなはがね 人はおび

変わり果てた安息あんそくの地

空はやがてにごってゆく


降る小雨になみだまじ

無をつらぬいて無理ばかり

人も心もあやめる


泥濘ぬかるみに足をとられて

逃げ遅れた親子の目に

うつる恐怖を見ぬ振りで

手に持つ短刀たんとう一振り


かたきをとれと立ち上がり

小さな手で銃を抜いた

勝てる訳も無くて


初雪はつゆきが大地を白くなごます

静かなメリークリスマス

終わりのかねが響くよ


横たえた過去の者が消えてゆく

悲しいメリークリスマス

さらな銀世界だ


色のない無音ゆえの透明感

何も無いメリークリスマス

夢を忘れた現実


なぜ生まれ生きてきたかが

わからないと思い悩む

簡単にちてゆくいのち

すさんでゆく気持ち


初雪はつゆきが大地を白くなごます

真っ白なメリークリスマス

終わりのかねんだ


色のない無音ゆえの透明感

何も無いメリークリスマス

夢を忘れた現実


割りきれない


風が吹き始め

粉のような雪が

り浮かびてまぼろしのようで

過去の自分を見つめ悲しむ

また静かに


初雪はつゆきが大地を白くなごます

静かなメリークリスマス

戻らない時計の針


横たえた過去の者のえたいき

無情なメリークリスマス

その冷たさに溶け込む


跡のないそのままの白い雪の

誰もが忘れた地

星のまたたくく音だけ


色のない無音ゆえの透明感

戦場のメリークリスマス

その日だけ忘れられた


クリスマスだけ


明日みょうにちに溶ける雪

惨劇さんげきあらわにしていく






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勝手に作詞してみた 飛竜 @rinky

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