紅玉赤夜

大きな滿月がうかんでゐる

おそろしいほどに赫〻あか〳〵とした

とても美事みごとな月が

月はその體から

深紅の光をこぼす


落ち着かぬ

氣が狂ひさうだ

いや

もう狂つてゐるのかも知れぬ

嗚呼

はやく眠らなければ

何故かさう思ふ

わたしは

外は寒いと謂ふのに

何處かにゆきたいと願つた

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