春に夢む

おゝ、花ぢやわい〳〵、葉櫻はざくらも見えるわい


  蒼く薄闇のかゝる中


なんともマアゆるわいな


 埋もれて仕舞ひさうな彌生はるの日


道に迷うたが春ぢやて


 地面はほんのり櫻色さくらいろ


はゝゝ土地神樣も御酒ごしゅを召しやつたか


 獨りとぼ〳〵辿るみちのり


いつか何處かへ出るかいの


 ふうわり〳〵と風


いつか何處かへけるかいの


 芽吹いて萌える足下の草花


風といつしよにゆけるわいの


 こくり〳〵と眠たき夜半よは


おゝさ さうぢやいな さうぢやわいな

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