【DX3】沖縄ステージ

Seth

沖縄ステージガイド

沖縄ステージガイド

 ここでは、沖縄ステージの概要について説明する。

 日本の最南端の県であり、無数の島々によって成り立つこのステージには、他の地域では見られないある特徴がある。

 それは、古来よりレネゲイドビーイングと共に生きてきたということだ。




レネゲイドビーイングと”呪女ユタ


 沖縄では数多くのレネゲイドビーイングが、古来より生息していた。と言っても、それは決して現在時々見られるような、自立し自由に動き回ることのできる存在ではなく、自らの意思を持たず、移動も殆どできないものがほとんどだった。一般の人間では存在を認識することもできない、ただそこに「いる」だけの存在である。

 そのようなレネゲイドビーイングを認識するだけでなく、意思疎通を図ることができる者がいた。彼らはレネゲイドビーイングの声を聞き、死者の声すらも聞くことができた。そのような者は呪女ユタと呼ばれ、人々から恐れられると同時に、不幸や災いがあった時には頼られる存在である。




呪女ユタ”という存在


 沖縄には数多くのレネゲイドビーイングがおり、ほとんどの人間はその存在を認識することができない。しかし、いわゆる「霊感」に優れた一部の者は、その姿を捉えることができる。呪女ユタとなるのはそのような者の中でも、際立って感覚が鋭く、レネゲイドビーイングの声に耳を傾けた者である。因果関係は分かっていないが、呪女ユタとなる者のほとんどは女性であり、また呪女と血縁や地縁に繋がりがある者に多く発生するようだ。

 呪女ユタはオーヴァードの1つの形であり、レネゲイドウィルスが世界に解き放たれる前から存在したことと、レネゲイドビーイングに強く関わっていることを除けば、現在の一般のオーヴァードとなんら変わることがない。ジャーム化のリスクも同様に背負っており、暴走状態に陥ることもしばしばである。そのため一般人からは狂人フリムンと思われることも多く、表立って呪女ユタの力を借りようとする者は少ない。しかし秘密裏に関係を持つ者は少なくなく、多額の金が動くことも多い。そのため何の力を持たないにも関わらず、呪女ユタを名乗り大金を得ようとする者もいる。




呪女ユタ”と”祝女ノロ


 沖縄がまだ琉球と呼ばれていた時代から、呪女ユタは存在していた。琉球王国はその力に目を付け、”祝女ノロ”と呼ばれる役職を設けて国家の守護に当たらせた。祝女となるのは女性に限られる。特に祝女の頂点に立つ存在「聞得大君きこえおおきみ」は、絶大な力を持っていたとされる。

 祝女ノロが制度として成り立ったのは500年以上前であり、現在ではその性質は呪女ユタとは大きく変化している。

 祝女ノロの制度は、現在でも細々と続いており、その力も受け継がれている。また、分家筋から力を表す者も稀にいるようだ。




グソーの声グスーヌクィ


 呪女ユタはレネゲイドビーイングや死者の声に耳を傾けることができる。しかしその力は危険と隣り合わせである。

 特に呪女ユタにとって最も恐れるべきものが「グソーの声グスーヌクィ」と呼ばれる現象である。レネゲイドビーイングや死者の声の中でも、ジャーム化したものや怨嗟の声に耳にしてしまうと、呪女ユタに強い精神的ダメージとなる。

 これは過去においては、注意を払ってさえいれば、大事に至ることはなかった。しかし、第二次世界大戦においての沖縄戦では、兵士のみならず民間人にも多数の死者が出たために、怨嗟の声が非常に強まってしまった。そのため現在は、呪女ユタが力を使うためには細心の注意を払う必要がある。




レネゲイドウィルスの解放以後の沖縄


 20年前の中東におけるレネゲイドウィルスの解放事件により、世界中にオーヴァードが発生した。その影響は、当然沖縄にも及んだ。

 沖縄は古来からレネゲイドとの関わりがあった土地のため、FHの大掛かりな作戦対象となった。それに対抗してUGNも沖縄県支部を設立し、各市町村にも小さな支部や活動拠点を置いた。

また、古来より沖縄の守護を担ってきた祝女ノロは、率先してUGNへの協力を申し出た。対して呪女ユタは、そもそも数が多く、組織化されている訳でもないため、UGNに協力する者、FHに加わる者、静観を決めている者と様々である。




面影島おもかげじま事件以降の沖縄


 沖縄では力が弱いながらも、数多くのレネゲイドビーイングが生息していた。この背景が、面影島事件の強い影響を被る原因となる。

 面影島事件で発生した”死者の蘇り現象”が、沖縄においては「沖縄戦の戦没者の蘇り」という形で発生した。これに連なる形で、数ヶ月後、戦没者の怨嗟の声、いわゆる「グソーの声グスーヌクィ」がレネゲイドビーイングとして顕現して現れたのである。

 事件は県内の広範囲に同時多発的に、それも極めて危険な状態で発生した。この事態に対してUGN沖縄県支部は単独での解決手段を持っておらず、また迅速な解決が求められた。そこでUGN沖縄県支部長、赤嶺照光あかみね・てるみつは沖縄に拠点を置くFHのセルに共闘を持ちかける。FHとしても、この事態は解消せねばならない問題であったため、利害が一致。共に事件解決に当たり、無事に「グソーの声グスーヌクィ」を打ち払った。

 しかしFHと一時的であろうとも手を組んだことは、UGN上層部の不興を買い、現在UGN沖縄県支部は、一部の理解者を除き孤立気味である。そして皮肉にも、FHとは事件以降、奇妙な連帯感があり、時々小競り合いがあるものの、場合によっては協力することもある程の関係となっている。

 また、ゼノスはレネゲイドビーイングの多いこの島で、既存のレネゲイドビーイング達を引き込み、勢力を拡大しつつある。UGNとFHは共にこのことを危険視しているが、”プランナー”の意向なのか、まだ大掛かりな活動は行われていない。

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