氷姫

@mayukawaguchi

第1話 氷姫


 「頼む、この通り。」

体育館と部室棟の間を繋ぐ渡り廊下で、丸山宗佑が、拝むように両手を合わせると、頭を下げた。肩に黒いフルートケースを掛けた宗佑は、片手に持って運んでいた譜面台をその場に置き、長身を平身低頭させている。すぐ脇にある練習室で、吹奏楽部が音出しを始めている放課後のことである。

「えー、そんなこと言われても・・・。」

岩崎雅弥は、渋い顔をした。

「そこをなんとか。な、親友だろ?」

「えっ・・・そうだっけ?」

と、雅弥はすっとぼける。

「ひどい! 入学以来の友じゃないか。」

宗佑は、ふざけて気色ばむふりをする。しかし、そこには冗談に見せかけた本気も幾分か混じっていて、雅弥は、返答に窮した。もともと宗佑が悪いわけではないのだ。むしろ、彼はとばっちりを受けている側なのである。しかし、だからといって、理不尽だとも思わずにはいられない。親友だというのなら、自分の彼女の暴走を抑えて宥め、雅弥の窮地を救うべく、事態を有耶無耶にして、をが穏便に収めるべく、骨を折ってくれてもよいではないか? なのに、宗佑は、恋人の機嫌を損ねぬために、親友に折れてもらうほうが楽だと判断したらしい。

 事の起こりは、有賀小夜香のバレエの発表会であった。小夜香は、宗佑が一学期の頃から付き合っている彼女で、雅弥の友人でもある。三人は、松本音和高校の一年生で、入学してすぐ、応援団管理委員会の特別推薦枠委員に任命され、その縁で、以来、様々な厄介ごとに巻き込まれ、何かと関わり多く過ごすうちに、互いに次第に気心通じて、仲が良くなり今に至る。

 今週の土曜日にある小夜香の発表会に、当然、宗佑は行く。雅弥も誘われていて、行くことは承知した。

 そこまではいい。

 問題は、藤森綾乃にも小夜香が声を掛けたことであった。綾乃は、承知したらしい。彼女は、諏訪清涼高校の一年で、この夏の七月、蜻蛉祭と呼ばれる学園祭真っ最中の音和高校を訪れ、雅弥はその時、彼女に初めて出合った。その後、夏休みに入ってからも一度、ヨット部員である綾乃が練習している諏訪湖のヨットハーバーへ、雅弥は彼女に会いに行ったことがある。

「で?」

と、小夜香は形の良い細眉を吊り上げ、詰問した。一週間前、発表会のチケットを渡すため、雅弥が居る棋道部の部室にやって来た時のことだ。

「その次に綾乃ちゃんに会ったのは、いつなわけ?」

「・・・いや、会ってないし、全然。」

憮然と雅弥は答えた。

「全く?」

「そう、全く。」

ここで、雅弥は、小夜香の切れ長で黒味がちな瞳から発せられる怒気を含んだ視線に気付いた。

「あー、でも、電話はした。色々、説明しないといけないことがあったし。あれこれ話した。」

と、慌てて言い訳がましく付け加えた。ヨットハーバーで会った日、綾乃は彼と共に奇妙な出来事に巻き込まれ、その一連の体験が、一体何に起因するものなのか、自分は彼女に説明する義務がある、と雅弥は認識していたのだ。

「当然でしょ。あんな突拍子もない目に合ったら、誰だって理由が知りたいに決まってるじゃない。じゃなきゃ、納得出来ないよ。龍に乗って飛ぶなんてさ。だけど、私が言ってるのは、そういう意味じゃない。分かってるでしょ?」

途端に雅弥は、貝のように沈黙した。

「あんたさ、このままだと、完全に綾乃ちゃんと自然消滅しちゃうよ? それでもいいの? メールくらいはしてるんでしょうね?」

雅弥は、弱々しく首を振った。途端に、小夜香は、激高した。

「馬鹿っ! メールするのなんて、簡単じゃない。なんだってそう、ほんのちょっとの手間を惜しむわけ? この面倒臭がりっ。」

罵られること自体は、はなはだ不本意であったが、面倒臭がり、というのは当たっていると、内心、雅弥は認めた。が、さすがに今、正直にそれを言ったら、ますます小夜香の逆鱗に触れることはよく心得ていた。

「だってさ、用もないのにメールなんて・・・。何て書いたらいいか、わかんないし。」

「何だっていいじゃない。」

にべもなく小夜香は、苦々しげに言い放った。

「内容なんてどうでもいいんだから。メールしあえる仲だ、っていうことが大事なのに。」

そして、乱暴にチケットを二枚、雅弥の手に押し付けた。

「あの子、発表会には、来てくれる、ってもう約束してくれてるから。あんた、綾乃ちゃん誘って、まずお昼ご飯でも一緒に食べて、観に来なさい。開場は一時半で、開演は二時。あ、チケットは一枚千五百円だから、二枚で三千円ね。」

「えっ、俺が出すの?」

「当然でしょ。」

しれっとして、小夜香は言い切った。

「ちゃんと早めに綾乃ちゃんと約束しときなさいよ。ほら、お金。」

「今、二千円と七十三円しか持ってない。」

財布の中を覗き込んで、雅弥は抗議した。

「じゃあ、今は二千円だけでいいよ。明日、千円持ってきてくれれば。」

雅弥の手から、千円札を二枚取り上げると、彼女はさっさと行ってしまった。なんだか、傍目には、カツアゲされたように見えなくもない。居合わせた他の棋道部員達の恐怖と好奇心の入り混じった視線を感じながら、雅弥はチケットをのろのろと財布に仕舞った。

 勿論、雅弥は綾乃に連絡などしなかった。

 正確には、そのうち連絡しようと思ってはいたが、ぐずぐずと先延ばしにしていた。

 ぐずぐずしているうちに、宗佑がやってきて、発表会で小夜香に渡す花束を、午前中花屋に取りに行って来て欲しい、と頼み込まれた。

「そんなん自分で行けよ。」

そっけなく雅弥は、断った。

「いやいや、さすがに街中の人通りを花束持って歩くのは、ちょっと・・・恥ずかしいし。」

宗佑の返事が、雅弥には意外であった。

「えっ、でも、おまえ、いつも演奏会の後、花束もらってるじゃん?」

彼は吹奏楽部でフルートを吹いているので、雅弥は何度か演奏会を義理で観に行っているのであった。

「いや、コンサートホールとかね、そういうところで花束持ってるのはいいんだよ。周りの人にだって、事情が分かり易いだろ。ああ、そういう花束だなって。楽器も持ってるし、それが言わなくても説明になるんだよ。それに、どうせ貰った花は、帰る前に女子にあげちゃうしさ。でも、今回は、花屋から会場まで運ばなきゃならないだろ。街中で男が一人花束持って歩いてるの見られるのは、さすがにちょっと・・・。」

意外に細かいことを気にするやつだ、と雅弥は少々驚いた。

「それで、花屋から会場行くまでの間の輸送を頼みたいわけ。」

「そんなん、俺だって花束なんか抱えて歩きたくねーよ、恥ずかしい。」

言下に、にべもなく、雅弥は、拒否した。

「だから、おまえじゃなくて綾乃ちゃんに持ってもらえばいいだろ? それなら、問題ないじゃないか。女の子が花束を持って歩くのは、恥ずかしくない。むしろ、可愛い。そこが、男子とは違う。」

雅弥は、黙り込んだ。

「小夜香から聞いたけど、当日は、早めにあの子と会ってご飯食べてから一緒に会場に来るんだろ? その時に、ちょっと取りに寄ってくれたらいいんだよ。駅の近くの花屋だからさ。どこで昼飯食べるか、もう決めてあるの?」

「・・・・・。」

「まさか、まだ、誘ってない、とかじゃないよね?」

「・・・まだだ、って、もし俺が言ったら、どう思う?」

おづおづと、逆に雅弥は、尋ねてみた。

「えーっ、マジでか?」

呆れた口ぶりで、宗佑は嘆息した。

「僕はてっきり・・・いや、でも、それは困る。僕のためにも、綾乃ちゃん、誘ってよ。」

「・・・う・・・、いや、その・・・。」

返答に窮して、雅弥は口ごもった。

「ねえ、今すぐ、この場で誘って。ちゃんと花束渡すって、小夜香にはもう約束してあるんだよ。」

「花屋から、会場に届けてもらえばいいじゃん。」

「それが、出来れば、苦労しないよ。配達はやってないって断られたんだ。」

「花屋変えろよ。配達やってるとこに注文しろや。」

「小夜香指定の花屋なの。そこの百合のアレンジメントのが欲しいって指定されてんの。」

「・・・あいつ、我が侭過ぎね?」

「それに、もし、まだおまえが綾乃ちゃんをちゃんと誘ってないって小夜香が知ったら、怒り狂うぞ。」

「・・・・・。」

「頼む。この通り。」

 かくて、冒頭の会話に繋がるのであった。


「ねえ、正直なとこ、岩崎はさ、綾乃ちゃんと付きあいたいとかは、思わないわけ?」

唐突に核心をついた質問を宗佑がしたので、雅弥は不意を突かれてうろたえた。

「いや、付きあうって・・・、そもそも、どうやって付きあうんだよ? 具体的に。」

反射的に思わずむきになって、質問に質問で返してしまう。

「へ? どうって、いや、まあ、普通に・・・。」

「普通に、ってさ簡単に言うけどさ、そりゃ、ま、おまえと有賀みたいに同じ学校なら、普通に付き合えるかもしれないけど、松本と諏訪だよ? 距離ありすぎじゃね?」

雅弥の問い掛けに、うーん、と宗佑も考え込んだ。

「まあ、休みの日に会うとかさ、普段はメールとかじゃね。それにさ、そういうことは、とりあえず付き合うようになってから、二人で考えればいいことじゃん。」

おそろしく正論であった。

「だからさ、まずは付き合えるような段階に持っていかないと。」

まるで、雅弥が当然、綾乃と付き合いたがっているかのような宗佑の口ぶりである。それがいささか、雅弥の癪に触った。小夜香にしても宗佑にしても、この問題に関していささか本人の意向というものを無視しすぎる傾向がある。

「そんなこと言ったって、もし、藤森さんに、えっと、ひょっとして、もう・・・。」

言いかけて口をつぐんだ雅弥を、宗佑がじっと見た。

「つまり、もう彼氏とかいるんじゃないか、ってこと?」

宗佑の質問に、雅弥は、こくこく頷いた。自称親友は、溜息をついた。

「その点なら、一応、小夜香が本人に確認済みだから大丈夫。これまで、誰とも付き合ったことないらしいし。」

それを聞くや、それまで雅弥の上に漬物石のようにのしかかっていた重たい何かが不意にはずれて、俄然、心が軽くなった。現金なものである。

「だいたいそうじゃなかったら、小夜香だってこんなにおまえのことけしかけないよ。あいつ、そこまで無責任じゃないもの。」

宗佑の言葉には、かすかに非難の調子が込められていて、雅弥は慌てた。

「もちろん、わかってるよ。たださ、そのう・・・。」

「うん、随分、強引だよね。それは認める。でも、こうでもしないとおまえら、全然、進展しそうにないもん。その点では、僕も小夜香の側だな。それにさ、これは個人的な忠告だけど、今、綾乃ちゃんに付き合ってる相手が居ないとしても、明日には、もうどうだかわかんないんだよ? そして、僕の知る限りでは、女の子は、可愛くて性格のいい子から、先にいなくなっちゃうんだからね? そこんとこ、おまえ、わかってる?」

「別に、俺は、何も・・・。」

「最後まで、言わせて。」

宗佑は、雅弥を遮った。

「僕は、綾乃ちゃんに会ったのは一回だけだし、あの時も、ほとんと話す暇さえなかったから、ほとんど知らないも同然だけど、でも、なんでだか小夜香は、あの子のことが妙に気に入ってるんだ。これは、小夜香にしては、すごく珍しいことだよ。あいつは、大抵の女子には手厳しいからね。まあ、男子に至っては眼中にないんだけど。でね、僕は、割りに小夜香のそういう人を見る目みたいなものを信じてるんだ。あいつは、ずっと人間関係で苦労してきたから、割りによく人の本質みたいなものを見抜くんだよ。だから、小夜香がいい子だと言ってるってことは、綾乃ちゃんは本当にいい子なんだろうと僕は思う。」

真っ直ぐに、宗佑は友人の目を見詰めた。

「ここは、頑張りどころだと思うよ。勿論、どうするかは、岩崎本人が決めればいい。でも、後悔したくないなら、電話でもメールでもいいから、ちゃんと誘いな。これは親友としての忠告。じゃ。」

そう言いたいことだけ言ってしまうと、宗佑は雅弥の返事も聞かずに、さっさと立ち去ってしまった。雅弥は、困惑した気持ちで、親友の後姿を見送った。


 実際に、行動してみると、うだうだと逡巡していた時間に比すれば一瞬に思えるほどあっけなく、雅弥の悩みは解決されてしまった。

 思い切って綾乃に、「日曜日に会場へ行く前、昼ご飯、食べない?」とメールすると、ほとんどすぐに、「いいですよ。松本駅前に十一時半でどうですか?」と返信があり、それに、「了解。」と返したら、それで万事、手筈が整ってしまった。全部のやりとりが、五分とかからず済んでしまった。

 そして、当日、透けるように青く冷たい十一月の空の下、自転車を走らせ、約束の時間に駅前へ到着すると、既に綾乃が待っていて、彼の姿を見つけると、にこにこしながら手を振った。その日は、晴天だが底冷えのする十一月の晩秋で、クリーム色のニットのワンピースの上から、薄茶色のバックスキンのコートを羽織った綾乃は、冷気に晒されて頬を赤くしていた。夏に会った時には、こんがりとよく日に焼けていた肌が、幾分か醒め、色が薄くなっていた。しかし、笑うとぺこりと頬にえくぼが浮かぶのも、珊瑚色の唇も、変わっていなかった。自分がちゃんと綾乃を見つけられて、雅弥はホッとした。人の顔を覚えるのは、苦手だった。特に女子は、ちょっと髪を結んだり、服装を変えたりするだけで、まるで見た目が変わって、別人のようになってしまうので要注意だった。

 二人は、駅前のマクドナルドに入った。ハンバーガーを前にして、改めて向かい合って座った彼らの間に、久しぶりに会った者同士のぎこちなさがふと漂って、雅弥は何か言わなくてはと必死に頭を回転させた。

「ねえ、理系文系選択って、もうした?」

必死に考えて出てきた話題がこれであるところに、彼の朴念仁ぶりが如実に現れている。けれど、綾乃は快くその話題に乗り、理系にしたと答えた。雅弥も理系である。

「じゃあ、理科の選択科目、どれとどれにしました?」

綾乃が尋ねた。

「化学と生物。藤森さんは?」

「同じです。岩崎君、物理は取らないんだ。」

「理学部だけど、生物系の学科志望だから。」

「あ、もう、学部とかまで決まってるんですね。」

ポテトを指でつまみながら、感心したように綾乃が言った。

「まあ、まだ今のとこ、だけど。藤森さんは、具体的にどことかあるの?」

少し躊躇ってから、綾乃は、思い切ったように、

「ん、志望校って言うか、船に乗れる学校に行きたいかな、ってちょっと思ってて。」

と、言い出した。

「それって、ヨット部がある大学ってこと?」

彼女は、諏訪清涼高校でヨット部に所属しているのである。

「じゃなくて、実習船に乗れる学校って、いいな、って。」

と綾乃は、説明した。

「海洋関係の学校だと、そういうのがあって。何日も何ヶ月も船に乗って、航海しながら色々実習訓練したりするんです。大成丸とか銀河丸とか青雲丸っていう名前のは、大きいフェリーみたいなので、そういうのでもいいけど、一番乗りたいのは、海王丸とか日本丸っていう帆船で、『太平洋の白鳥』とか『海の貴婦人』とかって呼ばれてて。すごく綺麗な船で、ディンギーみたいな小さいヨットもいいけど、あんな帆船もいいなぁ、と。」

熱心に語る綾乃に、雅弥は最初、いささか面食らったが、彼女の楽しそうな顔に、だんだんと自分も釣り込まれていった。いつも湖を帆走している彼女が、それよりも更に広い海に出てみたいと思う気持ちも、なんとなく理解も出来、惹かれもした。長野県には、海はないけれども。

「へえ、面白そう。海洋生物の研究とかするの?」

「そういう学部もあるし、でも、どっちかっていうと、私が、やりたいのは、船の操作方法とか航海術みたいなこと、かな。」

話をしているうちに、思ったよりあっという間に時間が経ってしまった。会場に行く前に、花屋にも寄らなくてはならないので、二人は慌てて席を立ち、大急ぎで人通りで賑やかな街へと飛び出した。

 宗佑が注文してあったのは、白百合の花束は、目を見張るほど豪華なものだった。奮発したものだと、雅弥は、密かに呆れたが、綾乃は、嬉しそうに花束を受け取って抱きかかえていた。女子は、綺麗なものを手に持つだけで嬉しいらしい、と雅弥はひとつの発見をした。

 それから、二人は会場の市民芸術館へ向かった。途中の街路樹のナナカマドが、真っ赤な実を点々とつけた枝を折から強くなってきた風に揺らしていた。

 市民芸術館は、県(あがた)の森にほど近い、風変わりな貝殻型の建築物である。ガラスの正面に、曲線を描いて引っ込んでいる屋根が乗っかっている。雅弥は、小中学校の頃に、何度かサイトウ記念フェスティバルの学校見学などで、演奏会やオペラを聴きに来たことがあったが、綾乃は初めて来るそうで、物珍しげに赤い絨毯や、真珠母貝の内側に居るような気分になる半透明に所々透けた白い壁や、緩やかにスロープを描くエスカレータなどをしげしげと眺めていた。

 雅弥は、宗佑に電話をかけた。

「ああ、岩崎? 今、どこ? 僕は、もう席の方に居るよ。一階の真ん中あたり。」

宗佑の指示に従って探すと、無数に散りばめられた小さな豆電球と、赤いクッションの椅子と壁で豪華に装飾された桟敷席もある劇場で、携帯を耳に当てながら、二人に向かって手を挙げているのが見えた。

「やあ、綾乃ちゃん。久しぶり。」

なぜだかいやに上機嫌な宗佑が、綾乃から甘い香りを振りまく花束を受け取った。

「持ってきてくれて、ありがとう。小夜香が、舞台の後、みんなでお茶しようって。」

綾乃は、はにかんだように微笑んで宗佑に挨拶を返したが、雅弥は胃の辺りがずしりと重くなるのを感じた。小夜香の前で、綾乃と一緒に居たら、どうなるのかと考えるだけで軽く眩暈がした。しかも、今回、宗佑は、あまり頼りになりそうにない。下手をすると、小夜香に加勢しそうですらある。

 しかし、雅弥の思惑をよそに、開演のベルが鳴り、照明が落ちて客席は暗くなり、舞台が始まった。

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