貴方の手は羽のように柔らかでした。

飴ん子。

昨晩

二人は布団を深く被った。柔らかな暗闇に包まれた。


二人は考えたところでどうにもならないことを時を忘れるまで語り合った。その時の二人が見せる笑顔は幼い子供のように無邪気だった。


そのうち会話は休み休みになり二人はお互いに絡ませあったお互いの手の動きを見つめていた。


気づくと二人の会話は途切れていた。


静まりかえった部屋。深い沈黙の中、行きどころを無くした私の目は迷う。どうにかしてよと言わんばかりの視線を貴方の方へ投げ出した。


貴方は目を少し見開いたあと再び目を細めて静かに私を包み込んだ。


...


「さっき何の話してたっけな...。」

「どうでもいいようなこと。」

「...そうだね...。」


...


落ち着きを取り戻した二人はもう一度布団を深く被り直した。


貴方は左の手の平で私の左の肩を優しく包みこみ、私の火照りきった体をそっと自分の方へ引き寄せた。貴方の胸のたかなりが私の肩に響く。


貴方の方へ顔を向けると貴方はこちらを静かに見つめていた。目が合った。二人は恥じらいを隠す為のような微笑みを交わし合う。その時の二人の笑顔は大人のような落ち着きを帯びていた。


二人はまた話し始めた。だが疲れを帯びた睡魔から逃げきれず、ためらいと寂しさを感じながらも、じわりとじわりと深い夜の夢に沈んだ。

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