獅子騎士ライオナイト

ぬーやん

開扉


あるところに、何の変哲もない神がいた。


神は気まぐれで世界を創った。


しかしその世界には、何もなかった。


あまりにも何もないので、それを見かねた神は世界に扉を用意した。


あらゆるものを生み出す扉を。


扉は力を生み出し、力は生命を生んだ。


しかしやがて生命は力を用い争いを生んだ。


それを見ていた神は、六つのキーと共に扉を閉じた。


これ以上扉が絶望を生み出さないように。


その向こうに、生まれるかもしれなかった希望を残して。


世界の名はバース。


扉の名はニル・バース。


それは世界の始まりの扉。




——バース神話学『ニル・バース』一節より引用。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る