応援
「先輩、ちょっとお時間いいですか。」
二人組の女の子が、前を行く男の子に声を掛ける。
「ほら頑張って、大丈夫、できるから。」
ショートカットで活発そうな女の子が、ロングヘアーの大人しそうな女の子の背中を強めにポンと押す。
「でも、でも。」
押された子はモジモジしている。
「大丈夫だから、ほら、もう後戻りできないよ。」
「そうだけど、でも。」
男の子は立ち止まったまま苦笑いをしている。
「ここで勇気出さなくてどうするの。」
ショートの子は握りこぶしを前に出した。
ロングの子は唇を軽く噛みしめ、大きくうなづくと決意したように前に出る。
「先輩、ずっと先輩のことが好きでした。付き合ってください、私の友達と。」
「よおし、よく言った。」
ショートの子はガッツポーズを決めている。
「え、そっち、君じゃなくて、隣の応援してる方の子なの・・・。」
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