Section3 開けてはいけませんのドア

 目の前には一枚のドアがあって、「開けてはいけません」と書いてあった。


 「開けてはいけません」と書かれているからには、開けたくなってしまうのが人情というものだと思うのだけれど、それを開けるには勇気が必要だったし、なぜだか僕にはその「勇気」が伴っていなかった。



 僕はこのドアを開けることが出来るのだろうか?


 未来の僕はそれを知っているのかもしれないし、知らないのかもしれない。


 いずれにせよ、


 今の僕に分かるのは、このドアを「開けようか」「開けざるか」を、迷っているということだけだった。


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