維持者は今日も世界を守る
@complex
『維持者』について
ーーーん、むむぅ……お、おお!?な、なんじゃ……?え?『寝過ぎ』?……あ、ああ……ハハ、すまんすまん。今日は『授業』の日じゃったな、ウッカリしておったわい。
で?今日は何を聞きたいんじゃ?
ーーー何?
お前さん、それをどこで聞いた?え?『この家の書斎』?『博士が寝ていたから勝手に入らせてもらった』……?はぁ、書斎には勝手に入るなとあれほど言っておるだろうに……まぁ約束をしておいてグースカ寝てるワシもワシじゃが……
いいじゃろう。知ってしまったのなら仕方あるまい。『維持者』について教えてやろう。
『そやつ』……いや『そやつら』なのかどうかも定かではないが、『維持者』がいつから存在していたのかは分かっておらん。四百年前に起きたと言い伝えられる
ーーーんん?『博士はどう思ってるのか』じゃと?無論、ワシは信じておるよ。現れた時系列はともかくとして、『維持者』は間違いなくいる。特に根拠があるわけでもないのじゃが、何故なのか、どうしてもいないとは思えないんじゃ。んん、話を戻そうか。
突然じゃがお前さんよ、この世界における『強者』を挙げてみてくれい。ほら早く、いいからいいから。……うむうむ、『勇者』に『魔王』、『英雄』。そして『転生者』……。いずれも恐ろしく強い者達じゃな。だが、文献によれば『維持者』はそれら全員を相手にしようと片手間で圧倒出来るほどの力を持つとされておる。……おや、驚いておるな。どうした、『維持者』の強さに恐れ慄いたのか?……何、『違う』?『『維持者』という名前からして何かを守る存在だと想像していた』?『防御に特化していると思っていただけに、その戦闘力は予想外だった』?ハハハハ、そうかそうか、お前さんは『維持者』を門番のような存在だと思っておったのか。フフ、いいことを教えといてやろう。いいか、『何かを守る』ーーー『維持する』為に必要なのは必ずしも『防御に特化した力』というわけではない。『圧倒的な戦闘力』や『攻撃力』も、使い方を間違えなければ『何かを守る力』となるのじゃよ。お前さんの力だってそうじゃ。その『凶暴な力』だって、『何かを、誰かを守れる力』になるかもしれん。だから、決して自暴自棄になるんじゃないぞ。お前さんの力を否定する者は沢山いるが、肯定するものも確かにいるのじゃからな。
ーーー今日の授業はこれで終わりじゃ。早く家に帰りなさい。
ーーー
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