深海電車

夏鎖

第0話 

 その電車は海の奥底へと向かった。


 海面は遠い。光の束は細く収束し、やがて消えた。


 水の中に聴こえない汽笛が響く。その残響に赤い小魚の群れが驚き、去っていく。


 それを窓から見つめながら僕は思った。


 長い旅が始まったと


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