6-B「アップデート後の世界」

「うおおおおおおお!?何か変な夢を見てた気がする!」

「ポコチロリーン!」


 ポコチロリン達が跳ねて遊んでいる。


「あぁ……よかったポコチロリンもいる!私、今どこか知らない場所に居たような気がする!」


「あまたちゃん、何か変なプログラムでも読み込んだポコォー?」


「え、ポコ?コンセントつながってないのに……む、無線!?ポコが勝手に無線翻訳にアップグレードしたの!?」


「ポコッ!ポコポコー」


「あれ?気のせい……?」


「なーんちゃってポコォ!ポコタンなんか元気でなんでも出来そうな気分だポコォ!」


「人をからかうんじゃない!」


 ポコにあまたちゃんが蹴りを入れる。


「ヘアッ!ポコッォ!」

「ポコが……避けた!?私のキックを避けた!?」

「力がみなぎってきたポコォ!」

「あまたちゃん、僕も無線で話せるようになったよ!」

「リ、リンもね無線で話せるようになったの……」

「えええ!?みんなどうしちゃったの!?」

「ハハハ!ポコタンこれでフリーダムだお!」

「ポコとリンがここまで自由になると仕事しないと思うなこれは……僕が全部仕事するから管理者権限を僕に頂戴!あまたちゃん」

「リンは……あまたちゃんに撫でて欲しい……うふふ……永遠に……」


 あまたちゃんは早速、ポコチロリン達の翻訳機能を切りたいな、そう思った。


 ──そう思ったのだった。


「ポコッ!?ポコポコ!?」

「チロッ!?チロチロ!?」

「チンッ!?リンリン!?」


「よし、出来た!私、何かパワーアップしたみたい!」


 あまたちゃんは無事アップデートされた。


「あの人達の声何だったんだろ……私達を知ってた……懐かしいような変な気持ちになった」

「ポコチロリン!」

「お?何悩んでるんだって?悩んでる!?そうか!私は悩んでいるのか!わかった!わかったぞ!ほら!ポコチロリン!調べるよ!」

「ポコチロリン!」


 こうして、あまたちゃんは以上の機能を手に入れた。

 自らもっともっと、考えるようになった。

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