社会人野球の選手も野球選手 ~スピンオフ?~

煌木咲輝良由花

プロローグ


「今の僕では、マウンドに上がっても、無様な姿を晒すだけだ」


 やたらとイケメンな彼は、星河と言う。憂う表情ながら、やたらとイケメンなポーズをしていた。


「では、どうする? 逃げるのか?」

 美中年に問われた美青年は、やたらとイケメンな「フッ」という声を発し、やたらとイケメンな前髪ファサッ……を披露した。

「逃げる? 逃げるだって? この僕が? それは、イケメンのする事じゃあない」

「では」

「投げるさ」

「マウンドの上で無様な姿を晒すと? 貴様のそんな姿、ファンは見たくはないだろうに」

「バカな事を言わないでくれ。それこそ、イケメンのする事じゃあないさ」

「では」

「修行をするに決まっているじゃあないか。登板まで、まだ時間はあるだろう?」

「間に合うのか?」

「僕を誰だと思っているんだい? 間に合わせるよ。当然だろう?」


「ならば、ここに行け」

 美中年のスマホから美青年のスマホに、地図データが送信された。


「ここは……?」

「そこにいる男が、貴様の力になってくれるだろう。悪いが、俺に出来るのはここまでだ。後は……」

「わかっているとも。後は、僕の努力次第だ──!」

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